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呼吸器管理下での滲出性中耳炎

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疾患概要

通常、音を聞くための鼓膜の振動を保つには、耳管の換気機能により、鼓膜内側の中耳腔と、鼻口を介した外界との間で換気や気圧調整がされていますが、寝たきりで、気管切開孔を介して人工呼吸器管理中の神経筋疾患患者さんでは、気管切開孔から換気されるため、鼻の奥にあり中耳腔へつながっている耳管の換気機能が低下しやすく、また、嚥下障害により口から鼻へ逆流した分泌物が耳管開口部に貯留して、耳管換気作用の妨げとなりやすい状態になっています。

その結果、鼓膜の内側の中耳腔に貯留液がたまり、鼓膜が動きにくくなり、聞こえが悪くなる滲出性中耳炎にかかりやすくなります。この滲出性中耳炎は、痛みは感じにくく、聞こえにくく感じたり、通常よりも音に対する反応性が悪くなったりします。特に長期に呼吸器管理下にある患者さんでは、耳管機能不全となりやすく、滲出性中耳炎に罹患して、難聴を自覚されることがあります。

治療法・対処法

検査としては、聴覚系の検査で、聴力や鼓膜の動きを調べることで確認できます。聴力検査室では、ストレッチャー呼吸器装着中の患者さんにおいても対応しています。ヘッドホンからの検査音が聞こえる場合にスイッチを押すことができない患者さんでは、あらかじめ取り決められたご本人の合図、目の動きや瞬きなどで、はっきりとイエス/ノーの意思表示を確認しながら検査を行っています。

疾患概要・病態

長期に呼吸器管理下にある患者さんでは、耳管機能不全となり、滲出性中耳炎に罹患し、難聴を自覚されることがあります。常に中耳腔内に浸出液が貯留しやすい環境下にあることから、当院での治療方法としては、鼓膜の運動制限による難聴の程度が高度の場合、鼓膜を切開して中耳腔内の滲出液を吸引する鼓膜切開術をしますが、症状を繰り返すときには鼓室換気チューブ留置術を行います。また、感音難聴の一つである加齢性難聴を併発している混合性難聴の場合には、貯留液の除去のみでは難聴のすべてを改善できないため、補聴器装用をお勧めしています。

最終更新日:2017年3月31日

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