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治療可能な不随意運動症

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2016年2月22日
神経小児科部長 熊田 聡子

ジストニアなどの不随意運動症は、一般に薬物治療の効果が乏しいと考えられています。
しかし、神経伝達物質であるモノアミン(ドパミン、セロトニン、ノルエピネフリンなど)の合成障害によって生じる不随意運動症は、レボドパなどの薬物を上手に使うことで、症状が非常に良くなることがあります。代表的な病気は、GTPシクロヒドラーゼⅠという酵素の異常による瀬川病です。この他、図に示したように、モノアミンの合成に関係する多くの酵素の異常が不随意運動症の原因となり、この一部で薬物治療が可能です。
さらに、より難治な芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症という病気に対しては、ごく最近自治医科大学にて遺伝子治療ができるようになりました (自治医科大学小児科学教室ホームページ参照)。これら治療可能な病気は、きちんと診断することがとても重要です。モノアミン合成障害による病気では、症状が朝には軽く、夕方疲れた頃に重くなることが多いので、このような症状の日内変動が無いかに注意する必要があります。
また、髄液検査でモノアミンやビオプテリン代謝物の検査を行うこと、レボドパの試験投与を注意深く行うことが重要です。当科では最近、ジストニアのために書字障害や歩行障害を生じていた御姉弟がチロシン水酸化酵素欠損症という稀なモノアミン合成障害であったことを診断しました。レボドパを投与したところ症状はほぼ消失し、快適な日常生活を送れるようになりました(内野俊平ら.ドーパ反応性ジストニアを呈した軽症型チロシン水酸化酵素欠損症の姉弟例.第63回日本小児神経学会関東地方会.2015年9月.)。

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最終更新日:2016年3月29日

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