診療科のご紹介


心療内科

診療科のご紹介

摂食障害、転換性障害、解離性障害、心身症など心の負担が身体症状に表現されているお子さんを診療しています。 心と身体は自律神経や無意識を通じて相互に影響しあっているため、身体的な治療のみならず心、環境(家庭、学校)など多方面からアプローチが必要となります。

精神分析では「人には自分でも気付いていない“無意識”が存在し、判断や行動決定に大きな影響力を持つ」と考えます。心療内科では、この精神分析の考え方に基づいて症状を理解しようと勤めています。脳の中では“気持ちや考え”の断片がたくさん生じています。つまり、“自分で気づいている考えや気持ち(意識できる悩み)”は氷山の一角であり、“本人が気づくことができない考えや気持ち(無意識にある混沌とした生き辛さ)”が水面下に渦巻いています。 意識上と意識下(無意識)の境は自分では調整できないため、無意識にある生き辛さは話すことも意識上で悩むこともできず身体症状に現されるのです。

当科では症状や経過、お子さんの特性、お子さんを取り巻く環境、ご家族のお考えなどを詳しく伺います。その上で症状を除去することだけを目的とせず、症状に託された無意識からのメッセージを共に考えることで心の成長・変化が成され、結果的に症状が必要なくなることを目指しています。

こんな症状のお子さんが対象です

中学生までで、身体的症状があるお子さんの場合
⇒心療内科

当科では『身体の症状があるにもかかわらず、診察や検査により身体的な原因が特定できないお子さん』を対象としています。症状があっても日常生活に大きな支障が無ければしばらく様子をみるのも良い方法です。しかし、症状が持続的で強く、身体的な治療を行ってもなお日常生活に支障がある場合はご相談ください。初診時に中学生までのお子さんとさせていただきます。患者さんお一人当たりに時間をかけた診療を行うため、予約から初診までお待ちいただかなければならないことをご了承ください。

高校生までで、身体症状のないお子さんの場合
⇒児童・思春期精神科

身体症状が無い不登校、発達障害(ADHD、広汎性発達障害など)、うつ病、強迫性障害、不安障害、抜毛癖などの患者さん(高校生まで)は児童・思春期精神科へ予約していただきます。

高校生以上で身体症状が主な患者さんの場合
⇒最寄の心療内科を受診ください。

主に取り扱っている疾患、治療内容

摂食障害

摂食障害発症の原因

発症には遺伝的性質(性格、能力)、心理発達の停滞、家族関係、友人関係、社会情勢などが種々の割合で混在しており、ひとつの原因では説明できません。また、子どもの摂食障害では、約半数が意図的なダイエットをしていないのに発症しており、ダイエットが原因とは言えません。当科では摂食障害を本来の問題(心理的発達課題や主体性の確立、人との信頼感の獲得など)から自分自身も目をそらすためのすり替え症状だと考えています。本当の問題への取り組みには時間と困難を伴いますが、減量の達成感は容易に得られます。これに対して、家族や治療者が“食行動を是正させようとすること”(食べさせること)はダミー症状に巻き込まれて出口のない迷宮に迷い込むことになります。したがって、心療内科では体重増加を目的とせず、患者・家族が抱えているが気付いていない問題に取り組むお手伝いをしています。

摂食障害のタイプ

心療内科では摂食障害を精神面から5つに分けて考えています。それぞれのタイプで適切な治療方法や診療科が異なります。

  1. 頑張り屋で周囲の評価もよい優等生タイプ(がんばり病タイプ)
  2. 生まれつき"こだわり易い特質"を持つタイプ(発達障害タイプ)
  3. 精神疾患のため食事や体重にこだわりがあるタイプ(統合失調症の初期など)
  4. 抑うつ気分や不安に伴って食欲がなくなったタイプ(うつ状態、うつ病)
  5. 症状に対する周囲の反応を無意識に求めるタイプ
摂食障害の治療について
小児科での治療や検査

お近くの病院で胃腸の病気や脳腫瘍などの身体疾患による食欲低下ではないかどうについて検査をお受けください。原因となる身体疾患がない場合、まずは一般的な治療(栄養指導や生活指導、薬物療法など)をお受けください。それでも改善されない場合、担当医を通じて当院へご紹介いただくこととなります。精神疾患(統合失調症)や発達障害(アスペルガー障害など)に伴う摂食障害と考えられる場合は、より適切な治療が行える児童精神科にご紹介させていただきます。

心療内科で行っている治療:定常体重療法

定常体重療法は心理的な成長・変化に重点を置いています。これは一般的な治療である“体重増加を目的とした治療”(行動療法など)で改善しない患者さんや再発した患者さんに対する治療法です。入院中は高カロリー輸液療法により体重をほぼ一定に保つことで点滴への抵抗感を減らし、身体的な危険状態(脱水、肝障害など)から脱出します。また、体重を一定に保つことで、患者も周囲も『食べる・食べない』というすり替え症状から離れ、患者が潜在的に抱えている心理的問題に取り組めるようお手伝いをします。本人とご家族が成長・変化するために週1回の親ガイダンス(通院)が必要となります。詳しい治療内容をお聞きいただいた上で治療機関と治療方針をお選びください。

注:他院で一般的に行われる「行動制限療法」は当科では行っていません。

転換性障害、解離性障害

転換性障害や解離性障害はストレス状況が対応能力を大きく上回った場合、無意識に運動神経や知覚神経に不調を来たすものです。発症状況や経過から症状の意味を考えていきます。アスペルガー障害などの発達障害がある場合は児童思春期精神科での診療が適切です。

転換性障害 無意識に存在する負担
→運動神経・知覚神経
手足が動かない、感覚がない
持続する原因不明の痛み
解離性障害 無意識に存在する負担
→意識障害、記憶障害
意識を失う、意識がもうろうとする
記憶がなくなる

心身症

心身症とは

心の負担が自律神経の調子を乱すことにより身体に症状がでる状態の総称です。

心と身体は自律神経を介して互いに影響しあっています(心身相関)。通常の検査では異常がないにもかかわらず、症状のために生活に支障を来たしている場合は治療をお勧めします。診察(面接)の他に自律神経を調整する薬や心身をリラックスさせるための生活を共に考えていきます。

自律神経失調症
自律神経の不調→身体症状
心身相関は乏しい
心身症
無意識に存在する負担(疲れを無自覚)
→自律神経の不調→身体症状
心身相関がある
主な心身症
過敏性腸症候群
便秘、または、下痢を伴う腹痛が反復する
慢性胃炎
吐き気・嘔吐、食欲不振、腹痛
起立性調節障害
頭痛、めまい・立ちくらみ、倦怠感
過換気症候群
呼吸が速くなり息が苦しくなる、手がしびれる
心因性頻尿
膀胱炎ではないのに、何度もトイレに行く

身体症状のある不登校

心身症が不登校傾向と同時に起こっている場合、集団生活での不安・緊張が自律神経や運動神経、知覚神経に影響していると考えます。自律神経を調整するお薬や生活習慣の工夫による休養、さらには、意識下の心の疲れや心理発達の引っかかりを考えていくことなどがあります。

また、気付かない程度の発達障害を持つ不登校に対しては児童思春期精神科での治療が適切です。身体症状があっても不登校の主な原因ではない場合、児童精神科の受診をお勧めします。

医療機関の先生方へ

症状による日常生活への影響が少なく、ご家族が「器質的な疾患でなければしばらく様子を見たい」と考えられる場合、鎮痛薬の頓用などで様子を見ていただいて結構です。患者さんやご家族には『自律神経や心が原因であることもあります。子どもの心療内科での診療を希望されますか?』と受診のご意向を伺っていただいた上でご紹介をお願いします。

緊急を要する病状の場合、先生から当科の医師に直接お電話をくださいますようお願いします。

診療実績

(対象期間:25年4月1日〜26年3月31日)

病名 実績
神経性食思不振症
34例(うち入院治療を行ったもの22例)
転換・解離性障害
24例(うち入院治療を行ったもの4例)
起立性調節障害
33例
過敏性腸症候群
17例

スタッフ

氏名 役職 専門分野 主な資格等
深井 善光
(ふかい よしみつ)
医長
診療科責任者
小児心身医学
児童精神医学
精神分析学
日本小児科学会専門医
精神保健指定医
臨床心理士
日本小児心身医学会 理事・指導医
日本児童青年精神医学会 代議員
清水 圭祐
(しみず けいすけ)
医員 小児心身医学
精神分析学
日本小児心身医学会会員
日本児童青年精神医学会会員
日本小児精神神経学会会員
日本思春期青年期精神医学会会員
北島 翼
(きたじま たすく)
非常勤 小児心身医学
精神分析学
日本小児科学会専門医
日本小児心身医学会会員

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