診療科のご紹介


心臓血管外科

診療科のご紹介

心臓血管外科は先天性心臓病に対する安全かつ確実な手術、ご家族への適切かつ充分な説明を最重要と考え日々臨床に励んでおります。また、小児総合病院の強みを生かし、新生児科、循環器科、外科、集中治療科、呼吸器科、麻酔科、臨床工学部など、さまざまな専門分野の総力を結集したチーム医療により最良の医療を提供することを心がけています。

平成29年度の心臓血管外科手術件数は159件で、そのうち人工心肺を使用した開心術が96件、人工心肺を使用しない姑息手術やペースメーカ手術が46件、急性呼吸循環不全に対する補助循環(ECMO)導入件数は17件でした。手術時年齢は1歳未満の乳児が97例(うち新生児19例)で全体の61%を占め、幼児55例、小児5例、成人2例でした。開心術あるいは姑息手術136件中、動脈管開存症、心室中隔欠損症や房室中隔欠損症などの非チアノーゼ性心疾患が70件、左心低形成症候群や完全大血管転位症などの複雑なチアノーゼ性心疾患は66件で、ほぼ同程度でした。

通常の先天性心臓病手術に加えて、乳児・小児の急性心筋炎や拡張型心筋症の急性増悪による心不全や急性呼吸不全に対しても、集中治療科、循環器科、外科、臨床工学部との合同チームを組んで、緊急補助循環(ECMO、膜型人工肺)導入や短期型の左心補助装置(LVAD)などによる急性期治療に取り組んでいます。

先天性気管狭窄症は生命を危険にさらす重篤な疾患で、先天性心臓病を合併することも多く、外科治療が難しい病気です。呼吸器科、集中治療科による診断と周術期管理、都立清瀬小児病院時代から気管の外科治療に携わってきた外科と心臓血管外科との合同チームにより手術を行っています。

当院循環器科では隣接する総合周産期母子医療センターおよび多摩地区産科からの紹介を得て、積極的に胎児診断を行っています。胎児診断によって出生前より外科的あるいは内科的治療計画を立て、より良い治療の提供ができることから、今後も多摩地区産科の先生方のご協力を得ながら胎児診断症例の外科治療件数の増加を望んでいます。

小児総合病院の利点を最大限に生かして、生まれながらの心臓病を持った子供たちに将来より良い生活を楽しんでもらえるように、高水準の医療を提供できるように日々努力していきたいと考えています。

主に取り扱っている疾患、治療内容

  • 先天性心臓病に対する外科治療
    心房中隔欠損症
    心室中隔欠損症
    動脈管開存症
    房室中隔欠損症
    ファロー四徴症
    完全大血管転位症
    大動脈縮窄症、離断症
    総肺静脈還流異常症
    左心低形成症候群 など
  • 気管狭窄を合併する心臓病に対する外科治療
    肺動脈スリング
    血管輪 など
  • 急性心不全(心筋炎、心筋症など)に対する補助循環治療
  • 不整脈 (完全房室ブロック、洞不全症候群など)に対するペースメーカ治療

ご家族の皆さまへ

先天性心臓病の中には、誕生してまもない時期に手術を行う必要がある病気もあります。また、誕生から数ヶ月で最初の手術を行い、その後数回の手術を行って最終的な手術治療に到達する病気もあります。

これから心臓手術をお受けになるお子さんのご家族の皆さまのなかには、心臓手術という言葉の響きだけで驚かれ、とても不安な気持ちをお持ちの方もいらっしゃることと思います。確かに心臓手術はほかの外科手術に比べて命にかかわる大手術ではありますが、最近の技術の進歩によってより安全な心臓手術ができるようになっています。

ご家族の皆さまに少しでも心臓手術についての理解を深め、少しでも不安感を解消して、積極的にお子さんの心臓病と取り組んでいただくために「心臓病と心臓手術について」を作成しましたので、是非ご一読ください。

小児心臓病と心臓手術について」 目次一覧
  1. はじめに
  2. 心臓の構造と働き
  3. 心臓手術の方法
  4. 心臓手術の危険性と合併症
  5. 先天性心臓病について

心臓病の手術が必要なお子さんについて

初診の窓口は循環器科になっておりますので、そちらのホームページもご覧ください。

医療機関の先生方へ

心臓血管外科は循環器科、新生児科、麻酔科および集中治療科との綿密な連携医療により、入院から手術、術後管理、退院までの一貫したチーム医療を行っています。

さらに、小児総合病院の特色を生かし、小児心臓病に合併した先天性気管狭窄症などの呼吸器系疾患や消化器系疾患、腎泌尿器系疾患、内分泌・代謝性疾患においても、各専門診療科による総合的診療を行っています。

また、隣接する多摩総合医療センターの循環器内科、心臓血管外科との協力体制も確立しつつあり、生涯にわたる健康管理に対応してまいります。

心臓病に対する手術が必要なお子さんに対しましては、循環器科が窓口となっておりますので、当センター循環器科あてにご紹介くださるようお願いします。

診療実績

平成29年度に施行した心臓手術件数を、術式別にまとめました。
(いずれも4月から翌年3月)

疾患名 開心術 非開心術 補助循環
動脈管開存症
16
大動脈縮窄症
  単独
  +心室中隔欠損


1
1
大動脈弓離断症
  +心室中隔欠損

1
重複大動脈弓

1
右室流出路狭窄症 1
肺動脈弁狭窄症 1 1
右肺動脈孤立症 1
部分肺静脈還流異常症 1
総肺静脈還流異常症 1
心房中隔欠損症 4
部分型房室中隔欠損症 1
完全型房室中隔欠損症 5 4
心室中隔欠損症 29 1
ファロー四徴症 10 5
心室中隔欠損のない肺動脈閉鎖症 1 2
心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症 4 2
両大血管右室起始症 5 2
完全大血管転位症 8
修正大血管転位症 1 1
三尖弁閉鎖症 4 1
単心室症 1
左心低形成症候群 8 2
先天性大動脈弁下狭窄症 2
先天性大動脈弁上狭窄症 1
先天性僧帽弁疾患 2
先天性気管狭窄を伴う肺動脈スリング 2
心臓腫瘍
循環呼吸不全に対する補助循環 15
先天性気管狭窄症手術のための補助循環 2
不整脈に対するペースメーカー手術 6
その他 1
合計(総手術件数件)159件 96 46 17

National Clinical Database(NCD)への症例登録について

当センターの外科および心臓血管外科では専門医制度と連携したデータベース事業National Clinical Database (NCD)に症例を登録しています。 NCDのデータベース事業とは、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。 詳しくは下記をご覧ください。

スタッフ

    
氏名 役職 専門分野 主な資格等
寺田 正次
(てらだ まさつぐ)
部長
診療科責任者
先天性心疾患外科治療 心臓血管外科専門医、外科専門医
心臓血管外科専門医修練指導者
寺田医師の詳細プロフィールはこちら(PDF)
吉村 幸浩
(よしむら ゆきひろ)
医長
診療科責任者
先天性心疾患外科治療 心臓血管外科専門医、外科専門医
心臓血管外科専門医修練指導者
吉村医師の詳細プロフィールはこちら(PDF)
山本 裕介
(やまもと ゆうすけ)
医員 先天性心疾患外科治療 心臓血管外科専門医、外科専門医
山本医師の詳細プロフィールはこちら(PDF)
平野 暁教
(ひらの あきのり)
医員 心臓血管外科治療一般 外科専門医
平野医師の詳細プロフィールはこちら(PDF)
野間 美緒
(のま みお)
非常勤 先天性心疾患外科治療 心臓血管外科専門医、外科専門医
野間医師の詳細プロフィールはこちら(PDF)

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