診療科のご紹介


心臓血管外科

診療科のご紹介

心臓血管外科は小児心臓病外科治療を専門とする心臓血管外科専門医3名と外科専門医1名の4名のスタッフで、すべての先天性心臓病に対して安全かつ確実な手術、ご家族への適切かつ充分な説明を最重要と考え、日々の手術治療に努力しています。

通常の先天性心臓病手術に加えて、乳児・小児の急性心筋炎や心筋症の急性増悪などによる急性心不全や急性呼吸不全に対して、集中治療科、循環器科、外科との合同チームによる受け入れ体制が確立されており、緊急補助循環(ECMO、膜型人工肺)導入を中心とした急性期治療を積極的に行い、良好な治療成績を収めています。

先天性気管狭窄症は生命を危険にさらす重篤な疾患ですが、先天性心臓病を合併することも多く、外科治療が難しい病気です。当センターでは呼吸器科、集中治療科の専門スタッフによる診断と管理、気管の外科治療を専門とする外科チームと心臓血管外科との合同手術により治療成績の向上が見られています。

平成28年度の心臓血管外科手術件数は147件で、そのうち人工心肺を使用した開心術が92件、人工心肺を使用しない姑息手術やペースメーカ手術が47件、ECMOによる補助循環が8件、手術後30日以内の死亡は1例(0.7%)でした。手術総数は平成27年度(173件)より減少しましたが、循環器科によるカテーテル治療が主流となっている心房中隔欠損閉鎖症の手術治療の減少(手術2件、カテーテル治療33件)など難易度の低い手術件数の減少が手術件数減少の一因でした。一方、難易度の高い左心低形成症候群8例に対して各段階的手術(両側肺動脈絞扼術、ノルウッド手術、両方向性グレン手術、フォンタン手術など)を14件に行い、全例救命することができました。

今後も小児総合病院の利点を最大限に生かして、生まれながらの心臓病を持った子供たちが将来より良い生活を楽しんでもらえるように、高水準の医療を提供できるように努力していきたいと考えます。

主に取り扱っている疾患、治療内容

  • 先天性心臓病に対する外科治療
    心房中隔欠損症
    心室中隔欠損症
    動脈管開存症
    房室中隔欠損症
    ファロー四徴症
    完全大血管転位症
    大動脈縮窄症、離断症
    総肺静脈還流異常症
    左心低形成症候群 など
  • 気管狭窄を合併する心臓病に対する外科治療
    肺動脈スリング
    血管輪 など
  • 急性心不全(心筋炎、心筋症など)に対する補助循環治療
  • 不整脈 (完全房室ブロック、洞不全症候群など)に対するペースメーカ治療

ご家族の皆さまへ

先天性心臓病の中には、誕生してまもない時期に手術を行う必要がある病気もあります。また、誕生から数ヶ月で最初の手術を行い、その後数回の手術を行って最終的な手術治療に到達する病気もあります。

これから心臓手術をお受けになるお子さんのご家族の皆さまのなかには、心臓手術という言葉の響きだけで驚かれ、とても不安な気持ちをお持ちの方もいらっしゃることと思います。確かに心臓手術はほかの外科手術に比べて命にかかわる大手術ではありますが、最近の技術の進歩によってより安全な心臓手術ができるようになっています。

ご家族の皆さまに少しでも心臓手術についての理解を深め、少しでも不安感を解消して、積極的にお子さんの心臓病と取り組んでいただくために「心臓病と心臓手術について」を作成しましたので、是非ご一読ください。

小児心臓病と心臓手術について」 目次一覧
  1. はじめに
  2. 心臓の構造と働き
  3. 心臓手術の方法
  4. 心臓手術の危険性と合併症
  5. 先天性心臓病について

心臓病の手術が必要なお子さんについて

初診の窓口は循環器科になっておりますので、そちらのホームページもご覧ください。

医療機関の先生方へ

心臓血管外科は循環器科、新生児科、麻酔科および集中治療科との綿密な連携医療により、入院から手術、術後管理、退院までの一貫したチーム医療を行っています。

さらに、小児総合病院の特色を生かし、小児心臓病に合併した先天性気管狭窄症などの呼吸器系疾患や消化器系疾患、腎泌尿器系疾患、内分泌・代謝性疾患においても、各専門診療科による総合的診療を行っています。

また、隣接する多摩総合医療センターの循環器内科、心臓血管外科との協力体制も確立しつつあり、生涯にわたる健康管理に対応してまいります。

心臓病に対する手術が必要なお子さんに対しましては、循環器科が窓口となっておりますので、当センター循環器科あてにご紹介くださるようお願いします。

診療実績

平成28年度に施行した心臓手術件数を、術式別にまとめました。
(いずれも4月から翌年3月)

疾患名 開心術 非開心術 補助循環
動脈管開存症
9
大動脈縮窄症
  単独
  +心室中隔欠損
  +完全型房室中隔欠損症
  +両大血管右室起始症

1

2
1
1
1
大動脈弓離断症
  +心室中隔欠損
  +単心室症


1

1
1
重複大動脈弓

3
右室流出路狭窄症
2
肺動脈弁狭窄症
2
1
肺動脈弁閉鎖不全症
1
末梢肺動脈狭窄症
2
総肺静脈還流異常症
3
肺静脈閉塞症
6
心房中隔欠損症
2
三心房心
1
部分型房室中隔欠損症
1
完全型房室中隔欠損症
3
2
心室中隔欠損症
28
右室二腔症
3
ファロー四徴症
10
6
心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症
1
2
両大血管右室起始症
5
3
完全大血管転位症
4
2
修正大血管転位症
1
三尖弁閉鎖症
1
1
単心室症
1
左心低形成症候群
9
5
先天性大動脈弁下狭窄症
1
先天性僧帽弁疾患
2
先天性三尖弁疾患
1
先天性気管狭窄を伴う肺動脈スリング
1
循環呼吸不全に対する補助循環
5
先天性気管狭窄症手術のための補助循環
3
不整脈に対するペースメーカー手術
3
その他
2
合計(総手術件数件)147件
92
47
8

National Clinical Database(NCD)への症例登録について

当センターの外科および心臓血管外科では専門医制度と連携したデータベース事業National Clinical Database (NCD)に症例を登録しています。 NCDのデータベース事業とは、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。 詳しくは下記をご覧ください。

スタッフ

    
氏名 役職 専門分野 主な資格等
寺田 正次
(てらだ まさつぐ)
部長
診療科責任者
先天性心疾患外科治療 心臓血管外科専門医、外科専門医
心臓血管外科専門医修練指導者
寺田医師の詳細プロフィールはこちら(PDF)
吉村 幸浩
(よしむら ゆきひろ)
医長
診療科責任者
先天性心疾患外科治療 心臓血管外科専門医、外科専門医
心臓血管外科専門医修練指導者
吉村医師の詳細プロフィールはこちら(PDF)
山本 裕介
(やまもと ゆうすけ)
医員 先天性心疾患外科治療 心臓血管外科専門医、外科専門医
山本医師の詳細プロフィールはこちら(PDF)
平野 暁教
(ひらの あきのり)
医員 心臓血管外科治療一般 外科専門医
平野医師の詳細プロフィールはこちら(PDF)

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