診療科のご紹介


臨床工学技士室

紹介・特徴

臨床工学技士とは

医療現場では、医師や看護師の他様々な医療資格を持ったスタッフが一つのチームとして働いており、患者様の検査や治療を行っています。臨床工学技士もその医療スタッフの一員であり、医学と工学の知識を併せ持った国家資格を有しています。1987年に制定された比較的新しい職種で、直接患者様と接する機会が少ないため、一般的に知名度が低いのが現状です。

当院には12名(非常勤1名を含む)のスタッフが在籍しており、医師の指示のもと、幅広い分野で医療のサポートをしています。院内ではクリニカルエンジニア(Clinical Engineer)の頭文字をとってCE(しーいー)と呼ばれています。我々CEは医療機器を通じて、より質の高い医療を患者様に提供できるよう、日々業務に励んでいます。

業務内容

1. 透析センター

6階にある『森の6番地』が透析センターになります。腎臓内科を中心に関連病棟や外来と連携を図り、急性・慢性腎不全や腹膜透析が困難な患者様の透析治療、血漿交換や白血球・顆粒球除去などの治療を行っています。(個室1床を含めた全8床配備)

業務内容は主に、治療の準備、透析装置の操作、患者様の観察や記録、トラブル対応などで、透析液を作るための水の水質管理や透析装置・物品の管理もしています。
小児では体も小さく循環血液量が少ないことから、成人に比べてより細かな観察が必要です。

透析回路内の充填液で血液が薄まり循環動態が変動することを避けるため、体重の小さな患者様には血液充填した透析回路を準備しています。成人と比べ、治療時間が長時間でなおかつ1週あたり5〜6回の透析治療を必要とする場合もあります。年齢の低い患者様は、自覚症状に乏しく意思を言葉にすることが難しいため、表情の変化に注意し、日頃のコミュニケーションを大切にすることで効率よく治療が進められるように努力しています。

透析患者様の人数や治療内容により1〜2名のスタッフが業務を担当します。

2. 手術室業務

手術室では医師・看護師・コメディカルが連携し、年間約4,000件の手術を行っています。
その中で、臨床工学技士が関連している仕事は、心臓手術で使用する人工心肺装置や補助循環装置、自己血回収装置などの操作及び保守管理と、その他の手術室医療機器(麻酔器等)の保守管理です。

人工心肺装置とは、一時的に心臓と肺の機能を代行する装置であり、操作には習熟した知識と技術を必要とする業務です。操作ひとつひとつが生命維持に直結しているという意識をもち、準備から操作中に至る作業にはチェックリストを用いたダブルチェックを実施しています。生まれたばかりの新生児から、体格の大きな成人領域の患者様までを対象としているため、人工肺のサイズや回路の太さなど使用する物品の種類も多岐にわたります。毎週行われるカンファレンスでは、心臓血管外科をはじめ他部門のスタッフと手術の手技や手順、使用する物品、人工心肺での管理方法などを確認し、手術当日に備えています。火・木曜日が心臓血管外科の予定手術日で、人工心肺装置を使用した手術では、3名のスタッフが対応します。

3. 心臓カテーテル業務

心臓カテーテル室では年間300件を超えるカテーテル検査や治療を行っています。心臓カテーテル検査とは、末梢血管から心臓内にカテーテルを挿入し、心臓・血管の各部位から血液を採取し、その酸素含有量を調べる血液ガス分析、心臓・血管内の圧記録をして解析する心内圧解析、必要な部位で造影剤を注入する心臓血管造影の3つの柱からなります。臨床工学技士の仕事はポリグラフ操作(心電図・心内圧曲線の記録、心拍出量測定等)、IVUS、ペースメーカ、除細動器、補助循環装置の操作などの急変時の対応と使用する機器の保守点検です。

月・水・金曜日が予定カテーテル検査・治療日で1名のスタッフが対応します。

4. 集中治療室業務

小児集中治療室(PICU・HCU)で稼働している医療機器の操作や稼働点検、保守管理を行っています。主に人工呼吸器の各種点検、急性血液浄化療法や膜型人工肺(ECMO)を使った治療の準備・導入・管理を行っています。

ECMOとはExtracorporeal membrane oxygenation:体外式膜型人工肺の略語で、体外循環を用いて行われる救命手段です。人工呼吸器や薬では改善しない重症化した呼吸不全・循環不全に対して行う治療法であり、導入には緊急を要するケースが多いです。ECMO療法に携わるスタッフで構成されるワーキンググループのメンバーとして定期的に集まり、導入方法や使用物品、トラブルシューティングなどのシミュレーション、トレーニング方法などを話し合い、緊急時に備えています。

院内・外のECMO搬送の実績もあります。

新生児集中治療室(NICU・GCU)では、体格や疾患にあわせて数種類の人工呼吸器が稼働しています。定期的な回路交換や、各種点検、一酸化窒素吸入療法や低酸素療法の対応をしています。保育器の点検・管理・修理対応も担当しています。

5. 機器管理業務

治療や検査に使用する様々な医療機器を管理することも臨床工学技士の仕事のひとつです。適格な機器の選定から、導入時の説明、不具合時の対応、更新計画作成など、事務的な業務も多いですが、臨床現場を知っているからこそできる業務でもあります。MEセンタースタッフと協力し、14品目 約1200台の医療機器を中央管理化しています。

6. MEセンター

SPC協力企業が主体となり、地下1階に配置されています。人工呼吸器やシリンジポンプ、輸液ポンプなど約1200台の医療機器をここで中央管理しています。11名のスタッフが在籍しており、機器の貸出・返却搬送、清拭、点検、修理、保管を主な業務としています。また、院内にある約3200台を超える医療機器をバーコードで識別し、医療機器管理ソフトにて管理しています。

医療機器メーカが主催するメンテナンス講習会などに参加し、メンテナンス資格を取得することで、故障機器はなるべく院内で修理対応できるようにしています。院外対応の修理機器やメンテナンス機器には代替機を手配するなど臨床に影響が出ないようメーカとの連携も図っています。

7. ペースメーカ業務

ペースメーカ植込み・交換術の立会い、外来チェック、ペースメーカ植込み患者様の手術時設定対応等をしています。ペースメーカチェックでは、プログラマという専用の機器を使用し、植え込まれたペースメーカの設定や電池残量、ペースメーカ本体と心臓の間をつなぐリード線の状態を読み取り、必要に応じて設定を調節します。ペースメーカの製造会社ごとで異なるプログラマを使用するため、操作には専門知識が必要です。

8. その他

一般病棟で稼働している人工呼吸器の稼働中点検や、使用前点検、回路交換を行っています。

RTX(陽・陰圧体外式人工呼吸器)の操作、在宅人工呼吸器の導入・ご家族への指導、AED・除細動器・救急車内の人工呼吸器・除細動器の日常点検と管理を行っています。

医師・歯科医師・看護師・理学療法士・歯科衛生士・臨床工学技士で構成される呼吸療法サポートチーム(RST)の一員として、定期的にミーティングや病棟ラウンドを実施し、呼吸療法の安全性の向上に努めています。

9. 勉強会

医療機器を正しい方法で安全に使ってもらうため、スタッフに向けた啓蒙活動を行っています。

毎年4月には新任スタッフに向けて開催されるオリエンテーションのうち、医療機器の説明を担当しています。また、各部署からの依頼にも随時対応しています。CEが主催する勉強会も定期的に開催しており、出席者には次回以降へのフィードバックのため、アンケートを回収しています。

  25年度 26年度 27年度 28年度
件数 73 38 45 66
参加者数 349 297 466 777

就業について

  • 各セクションに専任者を配備することで専門性を深め、他部署との連携を一本化し、全スタッフが統一した業務が行えるよう努力しています。
  • 個人の経験値をもとに日々の業務が割り当てられます。限られた人員で効率よく業務を進められるよう、専任している部署以外での業務も担当します。
  • 夏季休暇のほかに勉強会・学会参加のための休暇の取得や、介護・看護・育児休暇等も取りやすい環境です。
  • 認定資格取得や更新のための支援があり、知識の習得に研鑽しています。

所持している認定資格

  • 3学会合同呼吸療法認定士:6名
  • 透析技術認定士:6名
  • 体外循環技術認定士:5名
  • 臨床ME専門認定士:1名
  • 医療機器情報コミュニケータ:1名
  • 人工心臓管理技術認定士(小児体外式):2名
  • 第1種ME技術実力検定:2名

実績

学会発表等実績

日時 学会名 演題名   発表者
2012年
11月
第38回日本体外循環技術医学会大会 人工心肺操作中の安全管理 一般演題 熊谷
2015年
7月
APELSO2015  ECMO simulation インストラクター 八木
2015年
10月
第54回全国自治体病院学会 ECMO管理におけるCEの現状と今後の課題 一般演題[ポスター] 梅津
2016年
8月
ECMOシミュレーションラボ2016千葉 ECMO simulation インストラクター 青木
2015年
11月
第23回小児集中治療ワークショップ 当院におけるV−VECMOの運用 一般演題[ポスター] 坂尾
2015年11月 第23回小児集中治療ワークショップ データベースを用いた急性血液浄化における血液充填に係る計算システム 一般演題[ポスター] 青木
2016年10月 日本小児麻酔科学会 第22回大会 体外式膜型人工肺(ECMO)を用いたチアノーゼ性心疾患を伴う、気管狭窄症単独手術の術中管理 一般演題[ポスター] 八木
2016年12月 第61回日本新生児成育医学会・学術集会 薬液比重の違いにおける、輸液ルート内の薬液残留についての実験 一般演題[ポスター] 八木
2017年
2月
福祉保健局・病院経営本部専門性向上研修「薬剤」 救命センター・集中治療領域で使用される医療機器について? 講演 青木
2017年
3月
第44回日本集中治療医学会学術集会 小児ECMOにおける血流計比較実験 一般演題 八木
2017年
3月
第44回日本集中治療医学会学術集会 小児急性リンパ性白血病の白血球増多症に白血球除去療法を行った1例 一般演題[ポスター] 梅津
2017年
5月
第27回日本臨床工学会 先天性完全房室ブロックに対して経皮ペーシングが奏功した2症例 一般演題[BPAセッション] 渋谷
2017年
6月
第25回東京都臨床工学技会 当直業務開始に伴う、スキルチェックシート運用の検討 一般演題[BPAセッション] 八木
2017年
11月
第25回小児集中治療ワークショップ 臨床工学技士と看護師によるECMO管理とケア 講演[PICU看護師と共演] 八木
2018年
2月
ECMOシミュレーションラボ2018千葉 ECMO simulation インストラクター 青木

症例実績

  22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度
人工心肺業務 症例数 93 122 112 112 121 113 101
心臓カテーテル検査・治療 症例数 260 313 296 333 326 343 337
ECMO 症例数 9 8 13 22 17 18 12
稼働日数 117 113 88 199 139 154 157
持続的血液濾過透析療法 症例数 16 23 32 15 18 23 22
稼働日数 171 215 215 264 143 155 194
血液吸着療法 実施回数 10 14 11 3 8 4 3
血漿交換療法 実施回数 16 31 14 28 25 14 39
末梢血幹細胞採取 症例数 0 6 6 25 12 15 4
白血球除去療法 症例数 0 0 2 6 0 8 0
一酸化窒素吸入療法 症例数 19 17 35 53 35 38 29
稼働日数 103 100 214 319 201 209 182
低酸素療法 症例数 4 2 5 4 5 10 5
稼働日数 26 13 85 75 61 111 18
RTX(陽・陰圧体外式人工呼吸療法) 症例数 0 4 19 21 23 29 32
ペースメーカ(植込み・交換) 実施回数 0 0 1 5 3 6 7
ペースメーカチェック(外来) 実施回数 0 0 31 23 19 13 23
ペースメーカチェック(病棟) 実施回数 0 0 3 6 9 10 25

お知らせ

臨床工学技士を目指す学生の方や、小児医療に興味のある方など施設見学の問い合わせはメールにて随時受付けております。

送付先:sn_ce(アット)tmhp.jp(臨床工学技士室)
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