診療科のご紹介


形成外科

診療科のご紹介

形成外科では口唇口蓋裂小耳症立ち耳折れ耳埋没耳などの耳の形態異常眼瞼の異常といった顔面の形態異常から頭蓋縫合早期癒合症顎変形症などの頭蓋顎顔面骨の疾患、全身の体表の皮膚病変手足の形態異常やけどの跡のひきつれ、また褥瘡などの難治性皮膚潰瘍まで幅広い疾患を取り扱い、主に手術によって治療を行っています。

診療の対象となる疾患は一見とりとめのないようですが、「先天異常外傷腫瘍切除などによって失われた組織を形態的・機能的に再建し、社会心理的にも医学的にも満足できる生活が送れるように援助する」という、一貫した診療理念のもと治療を行っています。

患者さんの健康のために医療を提供することはもちろんのこと、「よりよい治療がよりよい人生の助けとなる」という信念のもと、安全・確実で質の高い手術を心がけています。

外来について

外来の診療体制は下記のようになっています。

 
午前 玉田・青木 - - 玉田・青木 第1・3・5週 中島
午後 ---WOC外来
(第2・4週 玉田)
-

形成外科ではQスウィッチルビーレーザーダイレーザー炭酸ガスレーザーの3種類のレーザー治療機器を有しており、皮膚科と連携して保険で治療を行っています。健康保険の対象外のレーザー治療は行っておりません。

こんな症状のお子さんが対象です

  • 口唇口蓋裂
  • 頭蓋顎顔面骨の変形
  • 耳介・眼瞼・鼻など顔面軟部組織の変形
  • 合指症多指症などの手足の先天異常
  • 母斑血管腫・リンパ管腫皮様嚢腫粉瘤などのあざ皮膚腫瘍
  • 外傷による創傷
  • けが手術後傷あと
  • 褥瘡 (床ずれ)

主に取り扱っている疾患、治療内容

当科では患者さん中心の医療を実践するために、上記疾患の中でも、より集学的な治療を必要とする下記疾患に対して関連各科とのチームアプローチで対応しております。

口唇口蓋裂チーム

口唇口蓋裂は日本人の500〜600人に1人出生するといわれている疾患です。

右不完全唇裂 術前

術後6ヶ月


妊娠中の器官形成期に顔面の癒合がうまくいかなかったために起きますが、その原因として単独の要因が指摘されることはほとんどなく、遺伝因子と環境因子が複雑に関係しあって、ある一定の基準を超えたときに発症するとされています。

症状は、裂が口唇のごく一部に見られるものから鼻腔底〜歯茎〜口蓋までつながっているものまで様々で、必要となる手術の内容も異なります。また、成長とともに注意すべき事柄も変化していくため、包括的な視野から継続的な診療を行っていくことが重要です。

当科では、口唇口蓋裂の診療に際して、小児歯科、矯正歯科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科(言語聴覚士を含む)、心理福祉科、看護部からなるチームで治療を行っています。

一貫したプロトコールの下で関連各科が診療を継続することで、患者さんの抱える問題を多角的・経時的に捉え、本人のもてる可能性を最大限に引き出し、社会生活を支援することを目指しています。医学的・社会的に治療の困難な患者さんについては月1回開催されるチームカンファレンスで、必要に応じて他の関連科のスタッフも交えながら討議され、包括的な視点から治療方針を決定しています。

口唇口蓋裂が主な対象疾患ですが、第1第2鰓弓症候群やその他の顔面変形に関しても症状に応じて本チームで診療にあたらせていただきます。


頭蓋顔面外科 (Craniofacial Surgery) チーム

頭蓋縫合早期癒合症に代表される頭蓋顔面外科の診療に際しては、脳神経外科と共同で診療にあたっています。

頭蓋縫合早期癒合症とは、生後しばらくの間ひらいていて脳の急速な成長に合わせて頭蓋骨を急速に拡大させていくことに関与している頭蓋骨の縫合(継ぎ目)が、予定より早く閉じてしまう疾患のことを言います。

予定より早く閉じてしまった縫合の周囲では急速な頭蓋の拡大は得られなくなってしまうため、脳の成長への悪影響が危惧されるのみならず、拡大しづらくなった周囲で代償性に頭蓋顔面骨の変形が起こります。

したがって、脳の成長に必要なスペースを確保する目的と、頭蓋骨の形態を整容的に整え、二次性に起きる頭蓋・顔面の変形を予防するという目的の、二つの観点から治療を行います。

アペール症候群クルーゾン症候群といった、体の他の部分の特定の異常を伴う症候性と呼ばれる状態と、頭蓋縫合の癒合以外に異常のない非症候性と呼ばれる状態では症状に差があり、治療時期や方法に関しても異なった配慮が必要です。

頭蓋縫合早期癒合症は複雑な診療を必要とすることも多く、当院では形成外科・脳神経外科以外にも、神経内科・放射線科を交えた定期的なカンファレンスをはじめとして、眼科・耳鼻科・矯正歯科など関連各科と連携をとりながら診療を行っています。

脳の機能予後の改善と頭蓋顔面の形態改善の両者を満たすことのできる治療、長期的に安定した結果の得られる治療を目指しています。

頭蓋縫合早期癒合症の治療には、大きく分けて一期的頭蓋形成と骨延長法の二つがありますが、チームカンファレンスで患者さん一人ひとりに合わせて最適な術式を検討し、治療にあたっています。

頭蓋縫合早期癒合症のほかに、頭蓋骨の欠損・変形なども治療対象疾患となります。

その他の疾患

また、当科では二分脊椎髄膜瘤の手術における手術支援、WOC(創傷・ストーマ・排泄)外来における難治性創傷の診療、血管腫に対するレーザー治療や各種薬物療法などでも関連各科と連携を取りながら診療にあたっています。

皮様嚢腫(Dermoid Cyst)、粉瘤石灰化上皮腫脂腺母斑色素性母斑といった皮膚良性腫瘍や、副耳・耳瘻孔等の小規模な先天形態異常に関しては日帰り全身麻酔での対応も行っております。

日帰り全身麻酔は基本的に健康なお子さんの短時間の手術を対象としております。実際に日帰り全身麻酔の適応となるかどうかは担当医にお尋ね下さい。

医療機関の先生方へ

紹介時には、画像や検査結果などがございましたら、受診時に患者さんにご持参いただければ幸いです。ご紹介いただいた患者さんについては、当科で精査した後、なるべく早い時期にご紹介いただいた先生に情報提供を行うことを努めています。

診療実績

東京都立小児総合医療センター形成外科
2014年1月〜12月手術実績

入院全身麻酔 320件
日帰り全身麻酔 82件
局所麻酔・その他手術 34件

 区分   入院手術   外来手術   計 
全身
麻酔 
 局所
麻酔・
その他
全身
麻酔 
局所
麻酔・
その他 
1.外傷  16 1 2 3 22
      顔面軟部組織損傷 3 3
顔面骨折 8 2 3 13
頭部・頸部・体幹の外傷 5 5
上肢の外傷   0
下肢の外傷 1     1
2.先天異常  238 50 4 292
     唇裂・口蓋裂 122 122
頭蓋・顎・顔面の先天異常 57 44 2 103
頚部の先天異常 1 1 2
四肢の先天異常 54 3 1 58
体幹(その他)の先天異常 4 2 1 7
3.腫瘍  52 24 25 101
     良性腫瘍
(レーザー治療を除く)
51 24 25 100
悪性腫瘍 0
腫瘍切除後の組織欠損
(一次再建)
1 1
腫瘍切除後の組織欠損
(二次再建)
0
4.瘢痕・瘢痕拘縮・ケロイド 10 1 11
5.難治性潰瘍  2 1 3
 褥瘡 1 1 2
その他潰瘍 1 1
6.炎症・変性疾患  0
7.美容(手術)  0
8.その他  0
Extra.レーザー治療  2 5 7
 良性腫瘍でのレーザー治療例 2 5 7
 美容処置でのレーザー治療例
大分類計 3202 82 32 436

スタッフ

氏名 役職 専門分野 主な資格等
玉田 一敬
(たまだ いっけい)
医長
診療科責任者
小児先天異常一般、頭蓋顎顔面外科、口唇口蓋裂、小児顔面外傷、耳の形成外科 日本形成外科学会専門医、
日本頭蓋顎顔面外科学会専門医・代議員、
Asian Pacific Craniofacial Association,Active Member
International Society of Craniofacial Surgery,Associate Member
青木 麻利江
(あおき まりえ)
医員 形成外科一般  
継 渉
(つぐ わたる)
医員    
長谷川 祐基
(はせがわ ゆうき)
非常勤    
中島 龍夫
(なかじま たつお)
非常勤 口唇裂・眼の形成外科 日本形成外科学会専門医
慶應義塾大学医学部形成外科学教室 名誉教授

このページの一番上へ戻る