診療科のご紹介


外科

診療科のご紹介

目標

成長していく子どもに対する手術は、身体に対する負担が少なく安全であるとともに、生涯保証する成績が大切と考えます。そのためには、心と体の成長発達を配慮した医療にも心がけます。

特色

1. 高度専門診療

気管狭窄症の手術

先天性気管狭窄症は窒息による命の危険があり、手術のリスクも高い大変難しい病気です。日本全国でも対応できる施設が限られている中、救命・集中治療部が遠方からの搬送依頼にも対応し、患者さんを受け入れています。外科・心臓血管外科・呼吸器科・循環器科・集中治療科・麻酔科・感染症科など関係各科で日々細部にわたって議論を行い、手術適応や方法、タイミング、集中治療管理などについて決定して診療に当たっています。 手術はスライド気管形成術を基本としており、センター開院後(2010〜2017年)39例の手術を経験し、36例(92%)が生存退院しています。残念ながら失ってしまった患者さんもいらっしゃいますが、常に成績向上に向けて努力を重ねています。手術を乗り切った場合は多くの患者さんが普通の生活を送ることができています。

小児呼吸器疾患

上記気管狭窄症以外にも先天性嚢胞性肺疾患(先天性嚢胞状腺腫様形成異常・気管支閉鎖症など)、肺・縦隔腫瘍、気胸、難治性肺感染症、膿胸、乳び胸等に対する手術、気管支鏡治療を行っています。小児においてこれらの疾患は頻度が少なく、その診断・治療に習熟した小児外科医や呼吸器外科医は極めて少ないのが現状です。当施設には豊富な経験があり、呼吸器外科専門医・気管支鏡専門医資格を有する本邦唯一の小児外科指導医も在籍しています。出生前診断された嚢胞性肺疾患等に対する通常の肺切除術のみならず、高度気管狭窄を伴う縦隔腫瘍に対する人工心肺を用いた準緊急摘出術や肺膿瘍合併胸膜肺芽腫に対する隣接臓器合併切除、超低出生体重児に対する横隔膜ヘルニア手術、乳児難治性乳び胸に対するリンパ管造影・胸管結紮術等、呼吸器科・循環器科・心臓血管外科・集中治療科・麻酔科・新生児科・血液腫瘍科等のスタッフと力を合わせて一般の小児外科施設や呼吸器外科施設では対応困難な重症患児の治療にも取り組んでいます。

鎖肛など難治性の排泄障害の治療

鎖肛ヒルシュスプルング病二分脊椎などの排便障害に対する治療に力をいれています。WOC外来を開設して、二分脊椎、総排泄腔異常を中心とした排泄障害に対してのチーム医療を推進しています。

胆道閉鎖症

便が白っぽく黄疸のある赤ちゃん(乳児胆汁うっ滞症)は胆道閉鎖症の可能性があり、迅速な診断・治療が必要となります。当院では外科、新生児科、総合診療科、内分泌・代謝科、消化器科などが連携して診療を行い、胆道閉鎖症の疑いが強い場合は、迅速に手術による最終診断と胆汁を出すための手術(葛西手術など)を行います。当院では豊富な経験を活かした葛西手術手技の標準化によって大変良好な成績を得ており、センター開院後(2010〜2017年)29例のうち26例(89.7%)で黄疸が消失しています。黄疸消失だけではなく、多くの患者さん(69.0%)で肝機能検査値が正常化しており、長期的にもよい状態がキープできています。肝臓移植が必要な患者さんには、適切な時期に移植手術が受けられるように移植施設と密な連携を行います。

悪性腫瘍

小児がんは手術、化学療法、放射線療法の集学的治療が有効です。私たちは外科、血液・腫瘍科、病理科、放射線科を中心としたチームを作り、定期的なカンファランスを行って、それぞれのお子様に一番適した治療法を考えて治療にあたっています。

 →小児がん拠点病院のページはこちら

2. 日帰り手術の推進

鼠径ヘルニアの手術では、日帰り手術を推進しています。ご両親と共に外来から直接手術室に入り、日帰りに適した全身麻酔をかけて手術を行います。傷は1.5cm程度で、手術時間は15〜20分くらいです。手術後はご両親と共に日帰り入院用の病棟で3時間ほど休憩して帰宅となります。年間300例程の症例数です。痛みなど体の負担は少なく、母子分離を避けてお子様のこころの負担も軽減できるメリットがあります。
(腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術は通常の方法に比べて体の負担が大きくなるため、1〜2泊の入院で行っています。反対側の発症を防いだりおへその形成が同時にできたりといったメリットもありますので、病状やご希望に応じて対応しています。)

3. 救急医療

救急外来では、24時間救急患者を予約なしに受け入れ、総合診療科、救命救急科が初期対応します。外科的疾患であれば、速やかに外科系と連携します。3次外傷に対しても外傷チームを組織して迅速に対応しています。

東京都三次救急基幹施設「子ども救命センター」として、他の医療機関で救命治療が困難な外科系、内科系患者を受け入れています。

救命救急科、集中治療科が協働しドクターカー、ヘリコプターを運用した搬送とPICU管理を行い、外科チームも連携して救命治療にあたります。

4.新生児外科

周産期センターとして、隣接する多摩総合医療センター産科、当センターの新生児科・外科が密接に連携して、適切な母体・胎児管理から出産後の新生児治療にスムーズに繋げています。

院外出生に対しても、24時間365日ドクターカーでの新生児救急搬送を行っています。外科的疾患の可能性がある場合は、迅速に対応します。

5.内視鏡下手術の推進

身体に対する負担が少なく、キズの小さな胸腔鏡・腹腔鏡手術を積極的に取り入れています。急性虫垂炎ヒルシュスプルング病肥厚性幽門狭窄症気胸漏斗胸鼠径ヘルニア、胃食道逆流症、脾腫、胆石、横隔膜弛緩症など、年間100例以上に施行しています。

6. 障がい児に対する外科治療

当センターでは障がい児に対する療育医療を地域で診ていくことを目標に、「多摩療育ネットワーク」をたちあげました。消化器科が窓口となってご相談をお受けしています。

外科チームはQOLを向上させる手術(胃食道逆流症防止術、胃瘻、喉頭気管分離など)を施行しています。

7. チーム医療の推進

最良の医療を提供するためには、一つの診療科の力では限界がある場合があります。当センターでは外科系各科とのチームワークが良いことが特徴です。

漏斗胸臍ヘルニアでは形成外科、喉頭、声門下狭窄では耳鼻いんこう科、気管狭窄では心臓外科、二分脊椎症では泌尿器科、脳外科、整形外科、総排泄腔膣異常では内分泌科、精神科、泌尿器科などと、外科系専門各科と連携してチーム医療を推進します。

8. 精神発達に配慮した診療体制

こころの専門部門と連携し、子どもの発達に応じた子どもへの外科治療の説明、準備(プレパレーション)や診療計画を心がけています。

外来について

外科外来 月〜金、午前中に初診、再診外来を開いています。
WOC外来 ストーマ、排泄管理を中心とした外来を第二、第4木曜、午後に開いています。

専門医制度と連携したデータベース事業(NCD)への参加について

国内で行われている医療の現状を把握し医療の質の向上に役立たせるため、全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析するプロジェクトが始まっております。何卒趣旨をご理解の上、ご協力賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

こんな症状のお子さんが対象です

小児外科は以下のように、頭からつま先までの幅広い外科治療を行っています。中でも呼吸器消化器病気が中心です。

頭頚部、口腔

正中頸嚢胞、側頸瘻、梨状窩瘻、リンパ管腫、血管腫、舌根部嚢胞、舌小帯短縮症、甲状腺疾患、声門下狭窄

胸部

先天性気管狭窄症漏斗胸嚢胞性肺疾患気胸、膿胸、食道閉鎖、食道狭窄症

横隔膜

横隔膜ヘルニア、横隔膜挙上症、食道裂孔ヘルニア (胃食道逆流症)

胃、小腸

胃破裂、肥厚性幽門狭窄症、十二指腸閉鎖、腸回転異常症、腸閉鎖症、腸重積症、メッケル憩室、腸管重複症、壊死性腸炎、胎便性腹膜炎

大腸

鎖肛 (直腸肛門奇形) 総排泄腔・膣異常ヒルシュスプルング病二分脊椎に対する排泄管理手術急性虫垂炎、潰瘍性大腸炎、腸管ポリープ

肝、胆、膵

胆道閉鎖症先天性胆道拡張症、胆石症、門脈圧亢進症、脾腫、膵疾患、脾疾患および血液疾患 (ITP、球状赤血球症など) に対する脾臓手術

鼠径部・精巣

そけいヘルニア(鼠径ヘルニア)陰嚢水腫、停留精巣

腹壁・臍

臍ヘルニア、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、臍腸瘻、臍肉芽腫

腫瘍

神経芽腫、肝芽腫、奇形腫、横紋筋肉腫、その他の腫瘍

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外傷

腹部・胸部交通外傷、熱傷、気管・消化管異物

医療機関の先生方へ

  1. 緊急手術腸閉塞など外科的管理が必要な場合は、連携担当医 (夜間は当直医) にお電話していただければ、早急に対応します。
  2. 鼠径ヘルニア臍ヘルニア皮下腫瘤など急を要しない外科的疾患は、外科初診予約をお願いします。
  3. 急な腹痛嘔吐などで虫垂炎腸重積幽門狭窄症などが疑われ救急対応が必要な場合は、救急外来[東京ER多摩(小児)]を受診して下さい。外科治療が必要と判断される場合には、速やかに外科と連携します。 ご一報いただければありがたいですが、緊急時には紹介状は不要です。
  4. 便秘 (慢性便秘、ヒルシュスプルング病) 、血便 (痔、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎) 、嘔吐、吐血 (胃食道逆流症、十二指腸潰瘍) 、慢性腹痛など消化器症状の精査は消化器科が担当しており、消化器科初診予約をお願いします。手術が必要と判断される場合には、速やかに外科と連携します。
  5. 新生児外科的疾患の治療依頼は新生児科が窓口となり、外科と連携して必ず入院治療できるよう対応します。
  6. 外科疾患での各種ご相談は連携担当医 下島が対応します。病気や手術についての質問、いろいろな意見を聞いてみたいなど、お気軽に御相談下さい。 電話または遠慮なく相談できる窓口としてメールもご利用下さい。 (naoki_shimojima@tmhp.jp)←@を半角にしてメールを送信してください。

診療実績

(平成29年度手術実績)

総手術件数 907



鼠径ヘルニア手術 375
臍ヘルニア手術 53
停留精巣 18
虫垂切除 47
腸重積(手術例) 4
肥厚性幽門狭窄症 4
頸部嚢胞・瘻孔 5
先天性気管狭窄症 4
肺切除 10
漏斗胸 5
胆道閉鎖症 1
先天性胆道拡張症 4
肝切除 4
腸回転異常 7
鎖肛手術 22
ヒルシュスプルング病 2
結腸全摘・回腸肛門管吻合 5
人工肛門造設 19
人工肛門閉鎖 17
 卵巣嚢腫・腫瘍 9
 気管切開 20
 喉頭気管分離 5
 噴門形成 6
 胃瘻 24
 腸瘻 2
 先天性横隔膜ヘルニア 5
 食道閉鎖症・食道再建 2
 腸閉鎖症 4
腹壁破裂・臍帯ヘルニア 4
新生児手術 48
腹腔鏡・胸腔鏡手術 105
日帰り手術 310

スタッフ

氏名 役職 専門分野・得意分野・研究分野 主な資格等
廣部 誠一
(ひろべ せいいち)
院長 小児外科・新生児外科
小児呼吸器外科(気管、肺の先天異常)
鎖肛・排便障害の治療
小児救急
内視鏡手術
小児がん
日本外科学会指導医・外科専門医、
日本小児外科学会評議員・理事、
日本小児外科学会指導医・小児外科専門医
直腸肛門奇形研究会運営委員、
日本小児ストーマ・排泄・創傷管理研究会幹事
下島 直樹
(しもじま なおき)
医長
診療科責任者
小児外科・新生児外科
先天性気管狭窄症
ヒルシュスプルング病
鎖肛・排便障害の治療
小児がん
日本外科学会外科専門医、
日本小児外科学会評議員
日本小児外科学会専門医、
日本移植学会移植認定医
下高原 昭廣
(しもたかはら
あきひろ)
医員 小児外科全般、
小児呼吸器外科(気管を含む縦隔、肺、胸壁の先天性異常)
日本外科学会指導医・外科専門医
日本小児外科学会指導医・小児外科専門医、
呼吸器外科専門医合同委員会呼吸器外科専門医、
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医、
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
富田 紘史
(とみた ひろふみ)
医員 小児外科・新生児外科
胆道閉鎖症・先天性胆道拡張症
低侵襲外科手術
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術
臍ヘルニア
重症心身障害児の外科
日本外科学会外科専門医、
日本小児外科学会専門医
栄養サポートチーム
加藤 源俊
(かとう もととし)
医員 小児外科・新生児外科
良性腫瘍(リンパ管腫)
鎖肛(直腸肛門奇形)
総排泄腔遺残
小児救急
内視鏡手術
小児がん
日本外科学会外科専門医
石塚 悦昭
(いしづか よしあき)
医員 小児外科全般
小児がん
日本外科学会外科専門医
原田 篤
(はらだ あつし)
医員 小児外科全般 日本外科学会外科専門医
東 紗弥
(あずま さや)
サブスペシャリティレジデント 小児外科全般
小森 広嗣
(こもり こうじ)
非常勤 小児外科全般、
新生児外科、
小児呼吸器外科(気管、肺の先天異常)、
小児救急、
内視鏡手術、
小児がん、
肝胆膵外科、
鎖肛・排便障害
日本外科学会指導医・外科専門医
日本小児外科学会指導医・小児外科専門医
鎌形 正一郎
(かまがた しょういちろう)
非常勤 小児外科全般 日本小児外科学会名誉指導医
山本 裕輝
(やまもと ゆうき)
非常勤 小児がん認定外科医
藤村 匠
(ふじむら たくみ)
非常勤

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