診療科・部門案内

看護部長あいさつ

看護部長

松沢病院看護部長
認定看護管理者
三浦 紀子

 都立松沢病院は、140年余りの歴史を持ち898床という日本一の規模を持つ精神科専門病院です。都心にありながら、東京ドーム4個分の広大な敷地には四季折々の樹木や花々が植えられており、季節の移ろいを五感で感じることができる環境です。2001年から始めた病院の再編整備は、2012年に本館診療棟(新棟)の運営を開始し、翌2013年には改修・移転がすべて終了し、新たな松沢病院として生まれ変わりました。
患者さんの療養環境を大切にした開放的な雰囲気の中で、精神科救急医療、身体合併症医療、認知症疾患医療センター、青年期の若者への早期支援・早期治療、依存症治療、医療観察法に基づく医療など、様々な精神科分野の医療に取り組んでいます。

精神科看護師には、知識・技術とともに「洞察力・共感力」と「深慮する力」が必要です。
看護の対象は「人間」です。人間の「こころ」と「からだ」双方に対し、看護者が深い洞察力や共感力と卓越した看護知識・技術を駆使することで、患者さんの「その人らしく生きる力」を引き出し、患者さんの可能性を広げることができます。もちろん、目に見えない「こころ」を看ることはとても難しく、様々な知識と経験も必要になります。患者さんのすべてを理解することは不可能でも、“生活のしづらさ”を抱えた人たちの悲しみや苦しみ、苛立ちなどを受け止めて思いやり、人生の目標を共に考え生きていくための支援をすることは、看護の本質といえるのではないでしょうか。
また、自分の意思や思いをうまく表現できない精神を病んだ人たちに対して、私たち看護者は、「患者さんにとってこれがベストなのだろうか」と常に深慮することが必要です。基本的人権や法律、道徳、倫理、医療、看護など、様々な角度からチームメンバーで深慮することで「患者さんが必要としている治療と看護」を考え提供することができます。

日本は、既に少子超高齢化社会に突入し、それに伴い疾病構造も変化し、今後さらに「こころ」と「からだ」を病む人が増えてくることは明らかです。2025年に向けた日本看護協会の将来ビジョン「いのち・暮らし・尊厳をまもり支える看護」を具現化するために、松沢病院は、「こころ」と「からだ」を病んでいる方々に寄り添い、その人の持てる力を引き出し、社会の中のひとりの人間として尊厳を保って生きていけるように、bio(生物学的)・psycho(心理学的)・social(社会的)な看護を目指しています。

患者さんの環境を作り、また時には私たち看護師の存在そのものが患者さんの環境の一部となり、決して短くはない精神科疾患を抱えて生きる人の人生に優しく寄り添い、自らも育める精神科看護。看護師である私たちができることを、一人でも多くの患者さんのために…