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各診療科・部門紹介

泌尿器科

特色・専門領域

当科では尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、男性生殖器(前立腺、精巣、陰茎)、副腎などに関連した疾患について診療を行っています。それぞれの疾患に対して、薬物療法に代表される保存的治療と、内視鏡手術を含めた外科的治療を行っています。現在、常勤医師2名で入院・外来診療に当たっております。患者様のQOL(生活の質)を考慮した治療を行うようにしております。

「尿に血が混じる」 「健康診断で血尿と言われた」
男性で「尿が近い、排尿に時間がかかる」 「PSAが高いと言われた」
女性で「尿が近い、尿漏れがある」
などの症状がある時は泌尿器科外来を受診して下さい。
積極的に地域の皆様の診療にあたれるよう努力してまいります。

外来の受付前には患者様向けの本やパンフレットを準備しております。ご自由にご覧ください。なるべく待ち時間の少ない診療を心がけておりますが、お待たせすることも多く、図書コーナーを設けさせていただいております。

主な診療内容

(1)尿路悪性腫瘍(膀胱癌、腎盂癌、尿管癌)「血尿が出た」

膀胱癌・・血尿や超音波で発見されることが一般的です。膀胱鏡検査で診断することができます。早期癌であれば内視鏡的に切除が可能です。浸潤癌の場合は膀胱を摘出する必要があります。膀胱癌は再発を繰り返すことが特徴ですが、近年主流である膀胱内への薬物注入療法を積極的にとりいれ再発防止に努めております。また浸潤癌の場合、膀胱全摘除に加え、尿の通り道を変える尿路変行術が必要になります。当院では患者様のQOLを考慮し癌の進行によっては、腸を用い新たに膀胱を作成する、自然排尿型の代用膀胱造設術を行うことが可能です。

腎盂尿管癌・・尿の通り道である腎臓の中の腎盂と言われるスペースから膀胱へつながる尿管に癌が発生することがあります。造影剤を用いた検査や尿管への内視鏡検査などを行い、診断を行います。遠隔転移などのない場合に根治の為には腎尿管を全摘する必要があります。術前に抗がん剤加療を行う場合があります。術後は膀胱癌の発生の可能性があるため、定期的に膀胱鏡での検査が必要になります。

(2)腎臓癌「エコーやCTで指摘された」

腎臓に発生する癌であり、近年は無症状で、人間ドックや健康診断にて発見されることがほとんどです。転移がない場合に根治するためには手術が唯一の方法です。腎臓の機能を温存するため、小さい癌に対しては腎部分切除術を積極的に行っています。手術は、サイズによっては腹腔鏡下に行うことが可能です。腹腔鏡手術の場合は提携大学より腹腔鏡認定医を招聘いたします。大きな腎癌や腎部分切除例に対しては、開腹で行っています。

腎臓癌は一般的に抗癌剤治療や放射線治療はほとんど効きません。転移がある場合でも、可能な限り手術を行うことが一般的です。手術が困難な場合や術後に再発を来した場合は、近年標準治療となっている分子標的治療を行うことが可能です。副作用に関しても医師、薬剤師、看護師によるサポートを受けることができます。また分子標的治療以前の標準治療であったインターフェロンやインターロイキンなどの免疫治療も選択することが可能です。患者様のQOLを考慮し治療を選択しております。

(3)前立腺癌「PSAが高いと言われた」

2015年の予測では男性の癌罹患率で第1位となってしまいました。男性の中で最も多い癌となってしまいました。もともと前立腺がんは欧米で多い癌でしたが、日本でも急激に増えているのが現状です。胃がんや肺がんなどと比べて、認知度が低いこともありますが、早めに診断や治療を行うことが重要になってきます。
現在は、検診や人間ドックでPSAという血液の検査で異常と言われて外来にくる方がとても多く、その結果、前立腺がんと診断される方が増えています。PSAは前立腺特異抗原(prostate specific antigen)の略です。
PSAが3あるいは4を超えるとがんの可能性が高くなります。PSAだけでなく泌尿器科の医師が指で触る直腸診、超音波やMRIで見られる異常があれば検査をして確定診断をつけます。

PSAが高い場合、まず外来でMRIによる画像診断を積極的に行い、ある程度癌の局在や広がりを確認いたします。その後、やはり癌が疑われる状況であれば、前立腺針生検を行います。当院では患者様の安全を考え、通常1泊2日での入院検査を行っております。基本的に局所麻酔で痛みを軽減したうえで直腸へ超音波を挿入し12カ所の生検を行っております。MRIの結果を参考に追加採取することがあります。

前立腺癌の診断された場合には、癌の拡がり、悪性度、患者さんの基礎疾患・年齢などに応じて、手術療法、放射線療法、ホルモン療法などを選択し、治療を行っております。当院での手術は開腹での前立腺全摘除術を行っております。事前に貯血を行うことにより、手術時の出血に対応いたします。近年急速に普及したロボット手術や、小線源治療などをご希望の患者様は、提携病院などの他施設への紹介をおこなっております。

(4)副腎腫瘍

副腎は様々な内分泌(ホルモン)を産生する臓器です。各ホルモンが過剰に分泌してしまうと様々な症状が出現し、治療すべき疾患となります。診断を行うのは通常、内分泌内科での精密検査が必要となります。精密検査の結果、手術療法が適応となった場合に泌尿器科での手術療法を検討することになります。クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などの副腎疾患の手術療法が可能です。小さい腫瘍であれば、提携大学より腹腔鏡認定医を招聘し、腹腔鏡・後腹膜鏡下の手術が可能です。

(5)尿路結石症「激しい腰背部痛」

日本人の10人に1人はかかると言われています。激しい腰からお腹の痛みが特徴です。石の大きさや数、存在する場所に応じて適切な治療を選択します。自然排石した結石に関しては持参していただき、結石分析検査を行うことにより、再発を防ぐための指導を行います。自然排石困難な膀胱結石や下部尿路結石に対しては硬性尿管鏡での砕石手術が当院で可能です。

ただし当院は衝撃波結石破砕装置(ESWL)を有しておりませんので、必要時は他院を紹介しております。

(6)前立腺肥大症「尿が近くて出づらい」

前立腺は男性のみ有する排尿や勃起、射精にかかわる臓器です。年齢とともに肥大してくることにより、尿の切れが悪い、尿の勢いが悪い、夜間何度もトイレに行く、残尿感があるといった症状を引き起こしてきます。 ひどい場合は尿が出なくなることもあります。診断のために尿の勢いや残尿を測る検査や、前立腺エコー等で前立腺の大きさを測る検査を行います。治療は薬物療法と手術療法の2つに大きく分けられます。

手術療法は最も一般的である経尿道的前立腺切除術(TURP)を行っております。当院では生理食塩水を使用して体に負担の少ない(従来の合併症を軽減した)方法で全例施行しております。手術に使用するモニターや切除鏡なども最新の備品を取り揃えております。通常、約1週間程度の入院となります。

手術が困難な場合などには細くなった前立腺部尿道を広げる尿道ステント留置術も行えます。切除をしないため、体への負担は非常に少なく、血液をサラサラにするお薬を内服している方や高齢の患者様にとって非常に有効な治療法となっております。通常約3-4日程度の入院で行います。ただし、年一回のステントの交換が必要となります。

薬物療法は尿道を拡げる薬に加え、男性ホルモンに作用し前立腺の縮小効果の期待できる5α還元酵素阻害剤も使用できます。また、ED治療薬と同成分のタダラフィルが前立腺肥大症に伴う排尿障害に保険適応となり、血管平滑筋弛緩による血流改善、尿道・前立腺・膀胱頸部の平滑筋弛緩などの作用により効果を発揮いたします。 前立腺肥大症は年齢とともに進行していく病気であり、患者様の希望や年齢、症状に合わせてより良い治療を選択いたします。

(7)神経因性膀胱

当科では膀胱内圧測定が可能であり、症状に応じて薬物療法を主体に治療を行っております。前立腺肥大症や脊椎損傷、二分脊椎、パーキンソン病などで神経因性膀胱のため自分で排尿することが困難となった場合に膀胱に尿が多量にたまってしまうことがあります(尿閉)。その場合、尿道カテーテルを膀胱まで留置し管を介して排尿を行う必要があることがあります。

定期的な尿道カテーテル管理が必要な場合もありますが、当科では積極的に可能な患者様には間欠的自己導尿カテーテルの使用を指導させていただきます。長期的なカテーテルの留置は感染のリスクや尿道損傷、結石形成などのトラブルを引き起こすことが知られており、間欠的自己導尿管理が望ましいとされています。一回使い切りのカテーテルと繰り返し使用できるカテーテルなどの種類を豊富に取り揃えております。患者様のスタイルに合わせてお渡しすることができます。最初は医師や看護師による指導により適切は処置を身につけていただくことが可能となります。

(8) 過活動膀胱、尿失禁「トイレに間に合わない、尿が漏れる」

過活動膀胱は50歳以上の女性の8人に1人と推定されております。「急に我慢できない強い尿意をもよおし、もれそうになる。」「トイレにいく回数が多い」「急に尿意をもよおし、トイレに間に合わずにもらしてしまった」などの症状の方が過活動膀胱の可能性が考えられます。排尿のことで悩んでいるのに年齢のせいとあきらめたり、恥ずかしくて相談できていないことはありませんか。当科へ受診して医師に相談、診察の上、薬物療法で改善することが期待できます。

(9)尿路感染症

尿路感染症の中には臓器に応じて膀胱炎、腎盂腎炎、精巣上体炎、前立腺炎、尿道炎まで存在します。 最も多い膀胱炎は女性に多く、頻尿、血尿、排尿時痛、残尿感などの症状が生じます。外来通院にて尿培養検査を行い、的確な抗生剤治療を行います。高齢者の尿路感染は重症化することもあるため、状況に応じて入院加療を行う場合があります。
当院は上記のあらゆる尿路感染症に対応しています。地域の特性を考慮し、感染症のガイドラインに準じた最新の知見をもとに治療に当たっております。

(10)ED(勃起障害)

診療は全て(検査から投薬まで)自費診療になりますが、全てのED治療薬の処方が可能です。また前立腺癌手術後の勃起障害に対し、ED治療薬でのリハビリテーションを行うことも可能です。

診療実績

副腎
術式2014年2015年2016年
腹腔鏡下副腎摘除術 1 1
腎臓・尿管
術式2014年2015年2016年
根治的腎摘除術 3 3 2
腹腔鏡下腎摘除術 3 3
腎部分切除術 3 3 4
開放腎生検 1
尿管吻合術 2 2
経尿道的尿管結石砕石術 8 7 10
膀胱
術式2014年2015年2016年
経尿道的膀胱腫瘍切除術 21 27 41
根治的膀胱全摘術(および回腸導管造設) 2 1 2
尿路変更術(尿管皮膚瘻) 1
膀胱結石砕石術 1 1 2
高位膀胱切開術 1
膀胱内異物除去術 1
尿膜管膿瘍切除術 1
尿失禁手術 3
前立腺
術式2014年2015年2016年
経尿道的前立腺切除術 26 16 12
根治的前立腺全摘除術 1 5 1
経直腸式前立腺針生検 56 47 32
尿道カルンクル 1 1 3
尿道ステント留置術(新規) 3
内尿道切開術 2 1
陰嚢・陰茎
術式2014年2015年2016年
外科的去勢術 8 11 8
高位精巣摘除術 5 2
陰嚢水腫根治術 3 5 3
精索静脈瘤根治術 1
精巣外傷修復術 2
精巣捻転固定術 1
包茎手術 2 3 1

主な医療設備

一般泌尿器疾患に対応できる一通りの設備を保有しています。

「外来で行う検査」

検査・・
尿定性・沈査、尿培養検査、PSA検査、尿細胞診検査、クラミジア・淋菌検査、男性ホルモン測定
機材・・
軟性膀胱鏡検査・尿流量測定・超音波検査・残尿測定・膀胱内圧測などを備えております。

また、放射線科と共に行う検査装置(CT・MRI・ラジオアイソトープ検査・尿路造影など)が整っています。

「手術室」

腹腔鏡手術、生理食塩水を用いた経尿道的手術、硬性尿管鏡、圧縮空気式結石破砕装置などいずれも最新の機材を導入しております。
ただし、上部尿路結石に対する体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)は有していません。

関連施設

外来診療担当医

泌尿器科の外来担当表はこちらをご覧ください。

最終更新日:2018年4月5日