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各診療科・部門紹介

心臓血管外科

特色・専門領域

心臓血管外科は心臓血管外科専門医認定機構の基幹修練病院として認定されており、あらゆる心臓血管外科領域の手術(心臓移植を除く)に対応しております。特に急性大動脈ネットワークの緊急大動脈支援病院として緊急度の高い大動脈解離や大動脈瘤破裂に迅速に対応できる体制をとっています。

主な診療内容

狭心症や弁膜症などの心臓疾患、胸部・腹部大動脈瘤などの大動脈疾患、閉塞性動脈硬化症・下肢静脈瘤など末梢血管を取り扱っており、臨床経験豊富な専門医3人が診療にあたっています。

診療実績

代表的な疾病(平成28年度)
術式名治療内容実績
虚血性心疾患 第一選択として人工心肺を使用しないバイパス手術(OPCAB)で行っておりますが、最近では重症症例や弁膜症との複合手術も多くなってきており人工心肺が必要な場合も増えています。 42
弁膜症 弁膜症(僧帽弁)には弁形成術を第一選択とし、高齢者の弁膜症に対しても形成術を積極的に行っています。また、単独弁膜症では小切開による手術(MICSなど)も行っています。 41
先天性心疾患 主に成人の先天性心疾患手術を行っております。 2
胸部大動脈 高齢、合併症がある方でも、低侵襲であるステントグラフト内挿術を積極的に行うことにより、早期退院が可能です。 48
腹部大動脈 ステントグラフト内挿術では翌日から歩行・食事が可能で、約10日の入院で日常生活が送れるようになります。 13
末梢動脈、
下肢静脈瘤
バイパス手術や血管内治療を行っております。
静脈瘤手術の入院期間は約6日間です。
レーザー治療、日帰り治療は行っておりません。
45
その他の心疾患 心臓腫瘍など 5
重複症例あり

主な医療設備

ICU:ICU(8床)と2つの心臓カテーテル検査室は手術室と同じ区画内にあり迅速に救急医療に対処できるようになっています。循環器科、心臓血管外科の病室も同じ3階にあり、集中的・効率的に心臓病の治療が可能です。IABP装置(3台)、経皮循環補助装置(PCPS:2台)を備え、8名の臨床工学士が補助循環や急性期血液浄化療法などをサポートしています。その他手術室内で血管内治療(ステントグラフト等)が可能な設備(血管透視装置・透視用可動式ベッド・造影剤注入装置など)を有しており、あらゆる治療に対応しております。

取り扱う病気・治療について

狭心症・心筋梗塞

心臓の筋肉を栄養する血管(冠状動脈)が部分的に狭くなることによってその下流の心臓の筋肉に血液が十分に行き渡らなくなり、虚血いわゆる酸欠状態になっているのが狭心症です。さらに狭窄が進行し、完全に血液が流れずに筋肉が死んでしまった状態を心筋梗塞と呼びます。現在、急性心筋梗塞で年間約40、000人以上が亡くなられており、心筋梗塞になる前の治療が必要です。


狭心症・心筋梗塞イメージ図

心臓弁膜症

心臓には4つの弁があります。全身から心臓に戻った血液は、三尖弁・肺動脈弁を通り肺に送られ、肺で酸素化された赤い血液となり再び心臓に戻ってきます。その後、僧帽弁・大動脈弁を通り全身に血液が送られる仕組みとなっています。心臓の弁は一方向にしか開かない構造になっており、それによって血液の流れを調節しております。それらの弁が十分に開かなくなった状態を狭窄症、逆方向にも開く状態を閉鎖不全症で、それらを総称して心臓弁膜症と呼びます。4つの弁のどれが狭窄もしくは閉鎖不全になっているかによって症状・病態は異なりますが、次第に肺・心臓に負担がかかり呼吸苦などの症状が出現します。これらの心臓弁の病気は、ある程度までお薬で症状を軽減することは可能ですが、進行した場合には手術が必要となります。


心臓弁膜症イメージ図

大動脈疾患(大動脈瘤など)

大動脈は、心臓から全身へ血液を運ぶ主要な血管です。
この大動脈が動脈硬化やその他の原因で一部が弱くなり風船のように 膨らみ始めることがあります。これが大動脈瘤で胸部にできたものが 胸部大動脈瘤、腹部にできたものが腹部大動脈瘤と呼ばれます。瘤がだんだん大きくなって次第に壁が薄くなってくると突然破裂して 大出血を起こす怖い病気です。


大動脈疾患(大動脈瘤など)イメージ図

この病気は通常無症状で痛みもありません。痛みが出た時は動脈瘤が破裂した時かあるいは破裂が目前に迫った状態です(切迫破裂)。
薬で破裂を予防することは困難で、破裂前の治療が必要になります。

末梢血管疾患(閉塞性動脈硬化症など)

閉塞性動脈硬化症(ASO)とは、動脈硬化によって血管が狭くなりその下流の血流不足をきたす疾患です。動脈硬化は脳血管や心臓の血管など全身に起こり得る病態 注1)ですが、特に下肢に起こるものをASO(エーエスオー)と呼んでいます。ASOは臨床症状から以下の4つに分類されています。

閉塞性動脈硬化症(ASO)4つの分類
重症度Fontaine臨床症状分類
軽症(代償期) I度:症状なし
(時に冷感、しびれ感)
中等症(相対的非代償期) II度:間欠性跛行※
重症(絶対的非代償期) III度:安静時痛
IV度:壊疽、阻血性潰瘍

※間欠性跛行:通常は50~100m程度の歩行で下肢痛が出現、休むと軽快する症状です。

検査は入院せずに行うことが出来、病気の状態・それに対する治療法など多くの情報が得られます。
血液の流れの悪くなった足は冷たく、少し歩くと痛くなります。そのような症状を歳のせい(当科における平均年齢は70歳です。)と諦めてほっておくと症状が進み(III・IV度)脚の切断が必要となることもあります。
上記のような症状があった場合には、すぐに心臓血管外科専門医の診察をお受けになることをお勧めします。

注1)閉塞性動脈硬化症は全身の動脈硬化症の一部分症であるため、心あるいは脳血管疾患をきたす危険率が高く、間欠性跛行患者の2-4%が1年以内に非致死的心血管病変を生ずるとされております。また間欠性跛行患者の5年死亡率は約30%でそのなかで心血管障害が40-60%を占めているとされます。

外来診療担当医

心臓血管外科の外来担当表はこちらをご覧ください。

最終更新日:2018年4月5日