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各診療科・部門紹介

検査科・輸血科・病理診断科

特色・専門領域

検査科では信頼性の高い検査結果を迅速且つ的確に臨床へ提供することにより診断・治療に寄与することに努めております。

検査部門の構成は、検体系検査(一般検査、血液検査、生化学免疫検査)、輸血検査、細菌検査、病理検査及び生理検査に分かれています。生理検査では、心電図や超音波検査など迅速に実施し、診断に役立てています。中央採血室は、検査に必要な外来患者の採血を看護部と共同で行っています。

輸血科は、安全且つ適正な輸血医療を行うために、血液型検査や交差適合試験等を含む輸血管理業務を行っています。さらに、各診療科との協力のもと輸血用血液製剤の有効利用、適正使用の推進に努めています。

病理診断科は、広い範囲の病気に対応できるよう努力しております。また当院の特徴の一つである循環器疾患に対する経験を生かし、研究活動も行っています。

特色

各種認定資格取得者数一覧(取得者は重複しています)
認定資格名人数(人)認定資格名人数(人)
消化器領域超音波検査士 5 認定輸血検査技師 4
体表領域超音波検査士 3 認定血液検査技師 2
循環器領域超音波検査士 4 臨床化学者 1
泌尿器領域超音波検査士 2 緊急検査士 1
血管領域超音波検査士 2 劇毒物管理士 1
血管診療技師 3 特化物作業主任者 2
聴覚検査士 3 バイオセーフティー技術主任管理者 1
糖尿病療養指導士 4 細胞検査士 4
栄養サポートチーム(NST) 1 電子顕微鏡技術認定 1
  • 施設認定
    日本臨床衛生検査技師会、並びに日本臨床検査標準協議会認定精度保証施設
    日本輸血細胞治療学会輸血I&A認定施設

他科部門との連携

検査科では、他科の部門と連携して業務を行い、さまざまな医療チームをサポートしています。
糖尿病教室では、糖尿病療養指導士が直接患者さんに検査の説明をしています。そのほか、栄養サポートチーム(NST)や感染制御チーム(ICT)にも参加しています。また、各科治験の検査についても協力しています。

検査科各部門のご紹介

それぞれの検査のご紹介コーナーです。部門名をクリックすると検査の詳細が確認できます。

1. 検体系検査

採血の様子の画像

おもに患者さんの血液、尿、便、その他(髄液や腹水などの体液)を採取したものをいろいろな角度から分析しています。検査部門は大きく分けて6部門あります。同じ材料の検査でも、目的によってさまざまな検査項目があります。

一般検査部門

トイレの前の尿コップを持っている患者さんの画像
  • 尿の性状の検査や尿に含まれている内容物を顕微鏡で確認しています。
  • その他に、尿を使った妊娠反応検査や便の中に含まれる微量な血液を見つける検査、髄液や腹水などの体液の性状や液中に含まれている細胞を確認する検査を実施しています。

生化学部門

体重計にのっているご婦人
  • 血液中や尿中の酵素や脂質、抗体などを量的に測定しています。
  • 生活習慣病の検査で測定される項目は、主にこちらで行っています。

血液部門

注射器の画像
  • 血液中にある赤血球や白血球、血小板の数や大きさ、形状を調べたり、血液の固まりやすさを調べる検査を行っています。

細菌部門

熱を出して寝ている患児
  • 患者さんに悪さをしている細菌の正体を確認しその細菌に効果のある薬剤の選択や、インフルエンザなどのウイルス抗原迅速検査を行っています。

輸血科(輸血部門)

献血しているご婦人
  • 血液型検査や輸血の準備のための検査と血液製剤の管理をおこなっています。

病理部門

手術着を着ている医師と看護師
  • 尿や体液や喀痰などに存在する細胞のなかに、変形した細胞やがん細胞が存在するかを確認しています。
  • また、手術で取った組織の細胞を顕微鏡を用いて詳しくチェックしています。

2. 生理検査

一般検査部門

尿カップの画像

一般検査室では主に尿や便、穿刺液の検査を行っています。尿検査は、排尿された尿を検査するだけの非常に簡単な検査ですが、さまざまな病気の推定に有用です。
採血室で患者さんにお渡ししている採尿カップには、ご本人のお名前の入ったラベルが貼られています。このラベルにはICタグが内蔵されており、検査結果を素早く間違いなく担当の医師にお返しできるようになっています。
また、尿検査のほかに便や髄液など(専門的には穿刺液といいます)の検査も行っており、大腸がんの発見や髄膜炎の診断にも役立ちます。

  • それでは、それぞれの検査について詳しくご説明しましょう。

尿検査

トイレの前の尿コップを持っている男性患者さんの画像
  • 尿は腎臓で作られます。腎臓は血液から不要な物質をろ過する働きがあり、腎臓で作られた尿は尿管を通って膀胱に入り、尿道を経て体外に排泄されます。腎臓をはじめ身体のどこかに異常があると、通常では尿中に含まれない成分が尿に混じったりします。
  • 尿検査は、尿の成分や細胞をチェックすることで腎臓、肝臓、泌尿器などの病気や、糖尿病などの診断の助けになるとても重要な検査です。採血とは異なり、痛みを伴わずに採取ができて体の状態をよく反映しますので、尿は貴重な材料のひとつです。
  • そのほか、ピロリ菌の検査、妊娠のチェックも尿を用いて検査を行います。

尿検査の具体的な検査内容

  • 尿定性検査
    色調、混濁、PH、比重、蛋白、糖、ケトン体、潜血、ウロビリノーゲン、ビリルビン、亜硝酸塩、白血球反応の12項目を写真の自動分析器で測定します。

尿定性検査装置の写真

尿検査の項目と基準値、意義の表

尿沈渣(ちんさ)の検査
  • 尿沈渣(ちんさ)
    赤血球、白血球などの血球成分や、上皮細胞の種類、細菌、真菌、原虫、結晶の有無や量を顕微鏡にて検査します。赤血球の形により出血部位を推測することもできます。
妊婦さんの画像
  • 妊娠反応
    ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は胎盤で産生されるホルモンで、妊娠の状態や妊娠周数により数値が変化します。尿を用いて定性や定量検査を行って、妊娠しているかどうか、子宮外妊娠などの可能性があるかどうかの診断の補助として検査しています。
  • ピロリ菌の検査:ヘリコバクターピロリ抗体検査
    ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)は胃炎、消化性潰瘍、胃癌とのかかわりが強いといわれています。尿を用いてヘリコバクターピロリ抗体を調べ、感染の有無を確認しています。ピロリ菌の検査は他に、尿素呼気試験や血液中の抗体を調べる検査もあります。

尿の採取方法と注意点

採尿室前の患者さん(ご婦人)の画像
  • 出始めの尿は、ヒフ表面の細菌や分泌物が多く入るため検査結果に影響することがありますので、中間尿が望ましいです。具体的な採り方をご紹介しましょう!
  • 最初の尿は紙コップに採らずにトイレに流します。
  • 中間の尿は紙コップに採ります。これを検査として提出します。
  • 後の尿はトイレに流します。

採尿時の注意点

注意事項を説明する職員の画像
飲み物を飲んでいる男性の画像
  • ビタミンCを含む飲料水(お茶やジュース類)は尿定性検査に影響を与えることがありますので、なるべく検査前日から控えるようにして下さい。
  • 尿量が少ない時には、水などを混ぜずに必ず職員にご相談ください(通常は一番下の目盛りまであれば足ります)。
  • 排尿直後などですぐに尿がでないときは、お水などをお飲みになり30分程度待ってから採尿してみてください。
  • 生理中の方は、主治医・職員にお知らせください。

糞便検査

  • 便潜血(せんけつ)検査
    食べ物などの画像
    便に血液が混じっていないかを調べます。大腸などの消化管からの出血や痔からの出血があると便の潜血検査で陽性になります。この検査は、ヒトの赤血球の中にあるヒトヘモグロビンに反応する抗体を用いた方法のため、食事や服薬の影響をうけずに、下部消化管出血を鋭敏に捉えることができます。
  • 寄生虫検査
    人体に病害を与える寄生虫や赤痢アメーバなどの原虫を対象として、顕微鏡を用いて寄生虫卵や虫体の検出、鑑別を行っています。

髄液検査

髄液の細胞を顕微鏡で観察し、出血や炎症について調べます。髄膜炎や脳炎などの診断に役立ちます。

その他の検査

  • 胸水・腹水・関節液などの組織液では、顕微鏡で白血球の数や種類の観察や関節液のなかの結晶成分の観察を行います。
  • 精液検査は、精液の量や精子の数や動き、精子の奇形について顕微鏡で観察します。

生化学部門

生化学検査は臨床検査技師3名が働いており、採血した血液成分を化学的に測定し、検査数値として患者さんに提供しています。また、免疫反応検査は抗原抗体反応を用いて検査数値として表示し、患者さんに提供します。

血液で何がわかりますか?

  • 血液は全身を流れ、様々な臓器を通過します。このため、血液を分析することで腎臓や肝臓、膵臓、心臓など様々な全身の臓器の健康状態を検査することになります。
  • 免疫反応検査の項目は感染症検査や甲状腺機能など多岐にわたります。特に「腫瘍マーカー」とよばれる癌の診断、治療効果判定に有用な検査も、血液検査でチェックできます。検査をご希望の方は、担当医にご相談ください。

検査にかかる時間はどのぐらいかかりますか?

当検査室では臨床検査・診断に不可欠な項目を、夜間休日かかわらず1時間以内に患者さんに提供します(一部の免疫検査は平日のみ検査しています)。緊急検査にかかわる機器は2台ずつ常備し、故障時などの対応に備えています。また、停電時はもちろん災害時も対応できるよう日々訓練を実施しています。

検査結果は信頼できますか

当検査室の検査値は、日本臨床衛生検査技師会、並びに日本臨床検査標準協議会で保証されています。

どのような項目がありますか?

次の表に当院で測定している検査項目の紹介とあわせて、基準範囲を表示しています。基準範囲についてもJCCLS日本臨床検査標準協議会が推奨するものを採用しています。ご覧ください。また、ここに記載がない検査項目でも、必要時は外部の検査センターに委託して検査を実施しています。

生化学検査、免疫反応検査項目とその意義の表

血液部門

顕微鏡のロゴマークの画像
  • 血液部門では、主に腕などの静脈から採取された血液や骨髄から直接採取した血液(骨髄液)の検査を行っています。血液は細胞成分と血漿成分に大きく分けられ、細胞成分を調べる血液検査と細胞成分以外の血しょう成分に含まれる凝固線溶因子を調べる検査があります。
  • 当院で血液検査を担当する3名の検査技師のうち2名は認定血液検査技師の資格を有しています。

血液検査


顕微鏡で見た血液細胞


自動血球計数装置

  • 血液中の細胞成分には赤血球、白血球、血小板があります。赤血球の中に含まれるヘモグロビンの量の測定は貧血の状態を知るのに重要です。白血球数は感染症等における炎症の程度を反映します。
  • 白血球は5種類に分類され、どの種類の白血球が増減するかで病気を診断したり治療の方針を決めたりします。検査装置でも分類できますが、血液標本を作って染色し、顕微鏡を用いて実際に目で1つ1つ確認しながら分類しています。
  • 血小板は止血に重要な細胞成分で、数が少なかったり機能が低下していたりすると、皮下出血しやすく怪我をした際に止血しにくくなります。
  • 下の写真は顕微鏡で見た血液細胞です。赤血球と白血球(好中球)が写っています。ピンク色でたくさんある細胞が赤血球で、中央の大きい細胞が白血球です。
  • この写真は自動血球計数装置です。このように2台配備して、365日24時間診療に対応しています。ほかに、形態学的な分析に欠かせない標本作製用の装置も備えています。

凝固・線溶検査

  • 血液が固まるまでの時間を計測して止血機能に異常がないかを調べています。止血には血小板のほかにもさまざまな成分が関わっています。
  • 出血すると体内では血液の塊である血栓を作り出血を止めようとします(凝固)。
  • 止血が済むと血栓は溶かされて塊がない状態に戻ります(線溶)。
  • この凝固と線溶のバランスを知るために、PT(プロトロンビン時間)、APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)、フィブリノゲン、FDP、D‐ダイマー、AT(アンチトロンビン)を測定しています。
あやまって手を切ってしまったご婦人の画像
自動凝固測定装置の画像
  • この写真は自動凝固測定装置です。こちらも2台配備して365日24時間診療に対応しています。処理速度が速いので迅速に結果を報告できます。

そのほかの検査

  • 血液疾患の診断、治療効果の判定に重要な骨髄穿刺液の検査があります。外来や病棟に出向き、医師が患者さんから採取する傍らで標本を作製します。この標本を検査室で染色し、血液細胞の種類、性状、比率を観察します。白血病やがんの骨髄転移などの診断や治療効果の判定に重要な検査です。
  • 当院で測定されている血液検査の検査項目とそれぞれの説明については、下の表を確認して下さい。
血液検査の検査項目とその意義の表

細菌部門

細菌検査室では、病気を引き起こしている原因の細菌やカビなどの病原微生物をみつけ、その病原微生物に対しどの種類の薬(抗菌薬)が効くか調べる検査を行っています。また、患者さんと病院職員を院内感染から守るための検査も実施しています。

検査内容


培地で発育した細菌
  • 塗抹顕微鏡検査
    かく痰や尿などの採取した検査材料中に存在する細菌やカビを染色液で染色したあと、顕微鏡で観察して病原微生物を推定する検査です。
  • 培養・同定検査
    採取した検査材料を栄養分の入っている寒天(培地)に塗って、存在する細菌やカビなどの病原微生物を肉眼でも観察可能なコロニー(細菌の集団)に発育させ(培養)、そのコロニーを用いて菌名を決定する(同定)検査です。
    下の写真は培地で発育した細菌の例です。中央に見えるピンクの丸いものが細菌のコロニーです。写真の培地には色素が入っているため菌がピンク色ですが、培地によって菌の表情が違います。
  • 薬剤感受性検査
    培養・同定検査で細菌やカビなどの病原微生物が見つかった場合に、どの種類の薬(抗菌薬)が効くのかを調べる検査です。
  • 迅速検査
    検査を提出後、検査当日に結果がわかる検査です。当院では次の検査を実施しています。

インフルエンザ迅速検査の結果
当院で実施しているおもな迅速検査項目
インフルエンザウイルスA、BA群溶血性レンサ球菌尿中肺炎球菌
RSウイルス ロタウイルス 尿中レジオネラ菌
アデノウイルス ノロウイルス マイコプラズマ

上の写真はインフルエンザ迅速検査の結果です。綿棒で鼻腔からとった鼻汁を抽出液に溶かし、溶かした液体を専用容器(テストデバイス)の丸いくぼみにたらします。陽性であればAまたはBのところにラインが出てきます(写真はインフルエンザAが陽性)。Cのところにもラインが出ますが、これはテストが正常に行われたしるしです。

検査結果報告までの目安

  • 報告までにかかる日数は、細菌やカビなどの種類や量によっても違いますのであくまでも目安になります。
  • 塗抹顕微鏡検査は1、2日になります。
  • 培養・同定検査と薬剤感受性検査では、細菌(肺炎球菌など)2から7日、カビなどの真菌(カンジダやアスペルギルスなど)2日から4週、抗酸菌(結核菌など)1週から8週程度かかります。
  • 迅速検査はいずれも30分程度です。

輸血科(輸血部門)

病院内における輸血療法の管理全般を行う部署です。常勤医師1名・非常勤医師1名と、認定輸血検査技師3名で構成されています。

輸血療法とは?

  • 献血された血液は、図のように血液中の各成分(赤血球・血小板・血漿(けっしょう・血球以外の成分)にわけられます。分けられた血漿は、さらにそのまますぐに凍結したものと色々な凝固因子(血液が固まるのに必要な成分)や蛋白成分にわけて製品化します。患者さんの病状により各成分の不足や機能低下があった場合に、それぞれの血液製剤を補充するという治療法です。

血液を成分ごとに分ける模式図
  • 輸血科では、以下の製剤を主に取り扱っています。
輸血科で取り扱っている血液製剤
血液製剤名輸血に使用する理由など
赤血球液(RBC) 手術や貧血等の理由で体の中の赤血球が不足した場合に輸血します。
新鮮凍結血漿(FFP) 主に凝固因子(血液が固まるために必要な物質)が不足した場合に輸血します。
濃厚血小板(PC) 血小板が不足し、出血しやすくなった場合に輸血します。
アルブミン製剤 血液中のアルブミンが不足したためにおこる、重度の浮腫(ふしゅ)の改善や体内の血しょう量の確保のために輸血します。
  • こちらは各種製剤の写真です。ちなみにABO血液型によって、ラベルの色が違います。(写真はA型:きいろ)
  • 赤血球液(RBC)

赤血球液画像
  • 新鮮凍結血漿(FFP)

新鮮凍結血漿画像
  • 濃厚血小板(PC)

濃厚血小板画像
  • 20%アルブミン製剤

アルブミン製剤画像

輸血科の業務


血液型の判定
  • 輸血に関する検査
    ABO血液型・Rh(D)血液型検査:血液型はたくさん種類がありますが、通常はこの2つの検査を実施します。手術や出産の前や、大きな検査や病気が原因で輸血する可能性がある場合に検査をします。
    検査の方法は、スライド法、試験管法、ゲルカラム法などがあります。(現在はスライド法だけでの血液型の確定はしません。)血液と試薬を混ぜて固まるか(凝集反応)をみています。 写真は試験管法で血液型を判定しているところです。

不規則抗体検査:あまり知られていませんが、実は血液型にはABOやRh(D)以外にもたくさんあります。輸血や妊娠をすることによって、まれにこれらに対して反応が起こり抗体を産生することがあります。抗体を産生した場合には、その抗体に対する血液型の血液製剤を使うことはできません。このため、患者さんが何らかの抗体を産生していないかを検査します。
交差適合試験:患者さんの血液と実際に輸血する血液をまぜて反応させ、安全に輸血できるかを確認する検査です。


血液製剤を保管している冷蔵庫
  • 血液製剤の管理
    血液製剤の取り寄せ・温度管理や在庫数の調整・病棟への払出・使用状況の確認等を行います。必要な時に遅れることなく確実に患者さんの元へ届けること、また血液製剤は献血から作られる貴重なものなので過剰な使用がないよう心がけています。血液製剤は専用の保冷庫で使用直前まできちんと保管しています。

厚生労働省公認献血マスコットけんけつちゃん
  • その他の業務
    自己血の採取補助と保管:自己血輸血とは手術や出産に備えてご自身の血液を用いる方法です。自己血には貯血式・希釈式・ 回収式という方法があります。このうち輸血科では貯血式自己血採取の補助と保管を行っています。
    病棟ラウンドの実施:輸血療法は献血から作られた血液製剤を患者さんに投与する治療であり、広い意味では『移植』と同じです。輸血科から払い出された血液製剤が安全に患者さんに使用されているか、看護科と輸血科の職員が定期的に各病棟へ出向いて手順や状況を確認しています。

当院は日本輸血・細胞治療学会のI&A(査察と認証)の認定施設です。

I&A(査察と認証)とは、輸血部門の機能評価認定制度で、施設が決められた手順に従い安全で適正な輸血医療を実施しているかどうかを学会が認定した第三者が点検・視察(Inspection)し、認証(Accrediyation)する制度です。

病理診断科(病理部門)

病理検査は、手術や検査の目的で採取された組織や細胞などを対象に標本を作製し、顕微鏡などを用いて組織の構造や細胞の形など形態学的に診断を行う検査です。大きく分けて組織検査、細胞診検査、病理解剖からなっています。


病理検査の分類図

組織検査

病変部の組織片を採取して標本を作製し、病理医が臨床情報や組織所見から総合的に評価し、形態学的に診断を下す検査です。組織は主に生検材料(胃や大腸の内視鏡検査で採取した組織)と手術材料(手術により切除された臓器)に分けられます。

  • 検査の流れ
    実際の検査は、下の図のように行われています。

組織検査の流れ模式図
  • 標本作製の様子

組織の切り出し
  • 組織の病変を確認し、スライドガラスにのせられるような大きさにします。

包埋作業
  • 組織を薄く切れるようにするため、パラフィンに埋め込みます。

染色液のはいった容器
  • スライドガラスに薄く切った組織を貼り付けた後、容器に入った染色液で染め分けます。
  • 写真は染め分けられたスライド標本の例です。

標本を顕微鏡で見た画像2枚

  • 出来上がった標本を顕微鏡で見た写真です。細胞の種類により染め分けることができます。

術中迅速検査

手術中に採取された病変部の組織が良性か悪性か、転移や病変部の取り残しがないかを迅速に診断する検査です。その結果によって、より適切な手術方法を選択することが出来ます。病理医がすばやく顕微鏡で観察し、20分以内に手術室へ報告します。

免疫染色

通常のHE染色や特殊染色では確定診断ができない場合があり、その場合目的に応じた抗体を用いて標本中の抗原を検出する免疫染色を行っています。細胞骨格、免疫グロブリン、腫瘍マーカー、ホルモンなどを検出します。 当検査室では約60種類の抗体を使用しています。

細胞診検査

婦人科(子宮頸部・体部)、呼吸器(喀痰・気管支擦過・洗浄)、泌尿器(自然尿・カテーテル尿)、体腔液(胸水・腹水)などの材料から標本を作製し、細胞のひとつひとつの形態を顕微鏡で観察して良性か悪性か、炎症の有無を診断する検査です。

病理解剖

病気で亡くなられた患者さんを対象として、ご遺族の承諾を得られた場合に限り、臨床診断の妥当性、治療効果の判定、直接死因の解明などを目的に行います。

生理検査項目1:心電図、ホルター心電図、平均加算心電図(LP)、トレッドミル(負荷心電図)

当院でおもに検査している心電図の検査についてご紹介します。

心電図


心電図検査
  • 胸と両手首・両足首に、電極という小さな金具のような器具を取り付け、横になっていただきます。
  • 心臓が拍動する時に生じる電気信号をキャッチし、心電計を通して波形として記録します。
  • 脈の乱れ(不整脈)や胸の痛み、動悸などの症状の診断のために行う検査です。
  • 手術を受ける前や、健康診断でも行われています。
  • 短時間で多くの情報を得ることができ、痛みや体への影響もありません。

ホルター心電図

小型の心電計を長時間(24時間)携帯していただき、心電図の異常や変化を記録することで、通常の心電図検査では見つける事が困難な不整脈や、狭心症、心筋梗塞など発見することができる検査です。


ホルター心電図の機械

ホルター心電図の解析

平均加算心電図(LP)

胸をおさえて辛そうにしている男性の画像
  • 心筋梗塞や心筋症などの病気によって、心臓の筋肉に障害が発生したか、あるいは発生した疑いがある時に行われる検査です。
  • 心筋梗塞や心室細動など、不整脈による突然死の危険性を判断する上で有用な検査の1つです。
  • 胸と背中に電極を貼り、10分間の安静状態での心電図を記録します。

トレッドミル(負荷心電図)


トレッドミル
  • 写真のような電動式で動くベルトコンベアーの上で歩行やジョギングを行い、負荷をかけた状態で心電図や血圧にどのような変化が起こるかを見る検査です。
  • 主に心臓病(虚血性心疾患・不整脈)の診断とその重症度の判定のために行います。

生理検査2:血圧脈波(ABI)、血管内皮機能検査(FMD)

おもな血圧や血管の検査についてご紹介します。

血圧脈波(ABI)


血圧脈波検査機器
  • 両腕と両足首の血圧を同時に計測し、脈波伝播速度(PWV)や足関節/上腕血圧比(ABI)を測定することで動脈硬化の程度、足の血管に詰まりがないかどうかの評価ができます。
  • 脈波伝達速度(PWV)とは、腕から足首までに脈波が伝わる速度で、この値が大きいほど血管の壁が硬くなっていることを表します。
  • 足関節/上腕血圧比(ABI)とは、腕の血圧と足首の血圧の比で、ABI値が0.9以下の場合、動脈硬化によって血管が狭くなってしまっていることを表します。

血管内皮機能検査(FMD)

  • 腕に血圧カフを巻いて圧力をかけ、安静にした状態と血圧カフを緩めた後の動脈の太さの差を測定します。動脈硬化の早期発見・早期治療に有用です。
  • 脈波伝達速度(PWV)・足関節/上腕血圧比(ABI)などの指標よりも薬の効きめが早期に反映されるため、患者さん一人ひとりに適した薬を選択するうえで効果的です。
  • お薬の治療以外でも、運動療法、食事療法などによっても改善するため、患者さんの生活習慣によるリスクファクターを管理する上でも重要な検査の一つと考えられています。

生理検査3:超音波(エコー)検査


超音波検査

人の耳では聞くことの出来ない周波数の高い音(20,000ヘルツ以上)を超音波といいます。 この超音波を体の外側から当てて、はね返ってきた反射波を映像化し、臓器の大きさや病態の有無を観察します。また、止まっているものだけでなく、動いているものや血液の流れなども観察することができます。 当院では腹部、心臓のほか、乳腺、甲状腺、血管など幅広く検査を行っています。被爆の心配が無いので小さなお子様や妊娠中の方でも安心して検査が受けられます。

検査前の注意点

注意点を説明している職員の画像
  • 腹部超音波検査を受ける方は、食事が検査に影響しますので検査予約時にお渡しする案内に書いてある注意事項をよくお読みください。
  • お水は飲んでいただいてもかまいませんが、糖分の含まれる飲み物や果汁、牛乳はお控えください。
  • 服薬については外来で医師の指示に従ってください。
  • 腹部超音波検査は膀胱に尿を貯めていることで、よりクリアに診ることができます。検査の直前に排尿をしないようお願いいたします。

生理検査4:肺機能検査

息を吸ったり吐いたりしていただくことで、肺から出入りする空気の量や、息を吐く速度および肺の中のガス濃度を測定することにより、肺の機能を調べる検査です。
呼吸器疾患の有無や治療効果の判定、手術前の肺機能の評価等を目的としています。
正確な結果を得るためには、患者さんの努力が不可欠です。大変ですが、技師と共にがんばりましょう。

生理検査5:脳波、筋電図

当院で行われている脳波、筋電図検査についてご紹介します。

脳波


脳波検査の機器と検査室
  • 頭に小さい電極を取り付け、脳が活動するときに出ている微弱な電気信号を、頭皮上から記録する検査です。
  • この波形から脳に関する病気の診断や、治療効果の確認を行います。
  • 実際の検査では、患者さんには奥の部屋でベッドに寝ていただき手前のドアを閉めます。検査技師がモニターを見ながら手前の機械で脳波を測定します。

筋電図

  • 神経に刺激が伝わる速さを調べ、神経に障害が発生していないかどうかを見る検査です。
  • 手足に電極を付け、皮膚の上から弱い電気で刺激して、その刺激によって筋肉が動くときに生じる電気活動を記録します。

生理検査6:睡眠時無呼吸検査、終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)

最近話題となっている睡眠時無呼吸症候群に対する検査です。

睡眠時無呼吸検査

いびきをかいて寝ている男性の画像
  • 睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に気道がふさがれ、呼吸が浅くなったり(低呼吸)、止まったり(無呼吸)したのちに、大きな「いびき」と共に呼吸が再開する状態が何度も繰り返される病気です。
  • 低呼吸や無呼吸の状態が繰り返されることで睡眠中に脳に充分な酸素がいきわたらないため、質の良い睡眠がとれなくなります。ついには昼間の眠気で日常生活に支障がでたり、高血圧や心臓病・脳血管障害などの合併症を引き起こすこともあります。

睡眠時無呼吸検査の機器
  • 睡眠時無呼吸検査は検査室であらかじめセットした機器を自宅に持ち帰り、就寝前に3つのセンサーをご自身で装着した状態で寝ていただきます。検査は、1日から2日間行います。
  • 指先で測定するセンサーもありますので、マニキュアはしないでください。また、センサーの装着は患者さんご自身または一緒に説明を受けた方と一緒におこなってください。

終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)


終夜睡眠ポリグラフィーの機器
  • 睡眠中の10秒以上の無呼吸や低呼吸の有無を調べる検査です。1時間毎の無呼吸と低呼吸の回数を合計した数をAHIという指数で表します。
  • 正常ではAHIは5以下です。AHIが5以上であれば睡眠時無呼吸症候群となります。睡眠時無呼吸症候群の重症度評価はAHI5~15が軽度、15~30が中等度、30以上は重度です。
  • 同時に脳波の測定も行いますので、良質な睡眠をとれているかどうかも分かります。
  • 検査は一泊入院で行います。

生理検査7:尿素呼気試験

検査薬を飲む女性の画像
  • 胃の中のピロリ菌の有無を調べる検査です。
  • ピロリ菌は胃の中に好んで住みつき、胃の壁を傷つける細菌で、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃癌などの発症と関係があることが明らかになっています。
  • 検査薬を飲む前と飲んだ後の息を採取し、息に含まれる窒素の量の差を調べます。身体の中にピロリ菌が存在すると、薬と反応して息の中の窒素の量が増えます。
  • 検査の前には、胃の中を空にする必要がありますので、検査前5時間は飲食や喫煙を控えるようにしてください。
  • 検査にかかる時間は約30分です。

最終更新日:2018年2月28日