診療科のご案内

胆嚢摘出術について

1 胆嚢って何?
 胆嚢は西洋梨の形をした容積30-50ml程度の袋状の臓器です。肝臓で作られた胆汁は胆道(肝内胆管、胆嚢、総胆管)を通って十二指腸に流れます。胆嚢は胆汁をいったん貯え、濃縮します。胆汁は石鹸のように、脂肪を水に溶けやすくする働きがあります。十二指腸に脂肪分の多い食物が流れてきた時に、胆嚢はホルモンの働きにより収縮して、貯えた濃縮胆汁を総胆管を経由して十二指腸に排出します。その結果、胆汁と接触した食物中の脂肪分は水に溶けやすい物質に変わり、酵素により分解され、小腸で吸収されます。このように胆嚢は脂肪の分解、吸収を助ける働きをしています。

2 胆嚢摘出術の対象となる病気は?
 胆道(肝内胆管、胆嚢、総胆管)の中に石が出来る病気が胆石症です。石のできる場所により肝内結石、胆嚢結石、総胆管結石と分類します。この中で一番頻度が高いのは胆嚢結石です。胆汁の成分は、コレステロール・胆汁酸・胆汁色素(ビリルビン)・リン脂質などが含まれ、胆石の成分も様々です。胆嚢結石では、大部分がコレステロールまたはビリルビンを主成分としています。

 胆嚢結石は、無症状で経過することも多いですが、胆石発作や胆嚢炎を併発し、上腹痛・背部痛や発熱・吐き気などの症状を起こすことがあります。また胆管に落下して総胆管結石となって胆管炎、膵炎を併発することもあります。症状を伴う胆石症については、原則として手術をお勧めしています。また、無石胆嚢炎といって石がなくても胆嚢炎を起こすことがあり、痛みや発熱の原因となるため胆嚢摘出術の対象となります。これらの病気は内科的治療でも症状が改善することもありますが、症状が強く出たり、繰り返す場合は日常生活に支障をきたすため手術をお勧めします。

 また、胆嚢ポリープという隆起性病変もこの手術の対象になる場合があります。胆嚢ポリープはコレステロールでできた非腫瘍性の病変であることが大部分ですが、大きさが1cmを越えると良性腫瘍や癌の頻度が増してきます。したがって、検査の結果、胆嚢癌の疑いがある場合も胆嚢摘出術を行います。

3 診断の方法は?
 胆石症の診断には、まず超音波検査を行います。鋭敏で簡便な検査です。症状があり、さらに精査を必要とする場合には、腹部CT検査、腹部MRI検査、点滴静注による胆道造影検査などを行います。いずれの検査も身体への負担が少なく、しかも詳細な情報が得られます。

4 手術の方法は?
[1]腹腔鏡下胆嚢摘出術
 胆石症の治療の主流となっている方法です。通常、臍の下と右上腹部に計3〜4個の穴をあけ、カメラや手術器械を腹腔内に差し込み、テレビモニターに映った画像を見ながら胆嚢を摘出します。胆嚢を取るのですから胆嚢結石の再発はありません。麻酔は全身麻酔が必要です。開腹胆嚢摘出術より手術時間はかかりますが痛みが軽度で回復も早く、傷もほとんど目立ちません。合併症がなければ平均して術後4〜7日で退院可能です。当院では600例を超える症例を経験しています。

 ただし、腹腔鏡下胆嚢摘出術を開始しても、以下の理由で途中から開腹胆嚢摘出術に移行する場合があります。

・胆嚢の壁が炎症により肥厚している
・胆嚢と周囲臓器との癒着が強い
・総胆管にも結石が認められ、摘出が困難
・術中に出血、胆管損傷・腸管損傷が発生し、対処が困難
 (頻度はまれです)
[2]開腹胆嚢摘出術
 炎症や癒着が強い場合、癌の合併している疑いが強い時は10〜15cmぐらい切開する開腹術を行います。多数もしくは大きな総胆管結石のある場合は腹腔鏡では難しく、開腹になる事が多いです。胆嚢を取るだけでなく、病気の種類によっては胆管を開いたり、胆管を合併切除することも行います。 胆嚢摘出のみでしたら術後7〜14日で退院可能です。
5 術後の経過は?
 胆嚢を摘出しても胆嚢の欠損症状はほとんど認められませんので、術後の食生活は今まで通りで構いません。退院後状態が落ち着くまで1〜2回の外来通院をしていただきますが、定期的な通院は必要ありません。
このページの先頭へ戻る