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都立病院だより 第51号

平成29年6月発行

広尾病院が外国人患者受入れ医療機関認証を取得しました。


 広尾病院は、平成29年2月6日、7日の二日間にわたり、一般財団法人日本医療教育財団による「外国人患者受入れ医療機関認証制度( J a p a n M e d i c a l S e r v i c e A c c r e d i t a t i o n f o rInternational Patients、通称JMIP)」の訪問調査を受審し、3月15日付で認証を取得しました 。
本認証制度は、厚生労働省が平成23年度に実施した「外国人患者受入れ医療機関認証制度整備のための支援事業」を基盤に策定された認証制度で、多言語による診療案内や、異文化・宗教に配慮した対応など、外国人患者の円滑な受入れ体制を評価するものです。このJMIPの取得は、都立・公社病院で初めてのこととなります。
 もともと広尾病院では、周辺に大使館が多いなどの立地条件もあって、外国人患者さんへの医療サービスの提供に積極的に取り組んでいましたが、今回の受審を機に、そうした院内の取組体制を改めて総合的に見直し、整備することになりました。平成28年3月にJMIP受審の方針を決定してから、4月にはJMIP受審対策委員会と4つのワーキンググループを立ち上げて各評価項目について検討し、約1 年に渡り準備を進めていく中で、院内一丸となって具体的な取組につなげていきました。例えば、これまでは個別に行われていた外国人患者対応の事例を共有し、院内の外国人対応マニュアルを整備しました。また、患者支援センターにおける外国語医療コーディネーターを中心とした院内通訳(英語、中国語)等の体制を整え、院内に周知することによって、外国人患者さんへの対応をよりスムーズに行うことができるようになりました。

 今回の認証取得により、広尾病院の外国人患者受入れ体制が広く認められたことを励みとし、「外国人を含むあらゆる患者さんに選ばれる病院」を目指してこれからも努力してまいります。
なお、東京オリンピック・パラリンピックを控え、ますます都立病院全体での国際化が求められていきますが、このJMIP取得の動きは他の都立・公社病院へも進められていく予定です。

墨東病院が地域がん診療連携拠点病院に指定されました。

 

 

 このたび、高度ながん診療体制が整備されている病院として、厚生労働省から、「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けました。
 国は、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、がん医療の中心的な役割を担い、一定の水準を満たした病院を、「地域がん診療連携拠点病院」として指定しています。

 墨東病院は、5大がんをはじめ臓器別に専門分野を定め、手術治療・化学療法・放射線治療など集学的治療を提供するがん診療に力を入れてきました。平成27年度からは、東京都が独自に指定する「東京都がん診療連携拠点病院」として活動し、専門的ながん医療の提供のほか、医師への緩和ケア研修、がんサロン・がん相談、がんに関する普及啓発活動などに取り組んでまいりました。こうした取り組みの実績が厚生労働省にも認められ、今回、国の「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けることができました。
 指定期間は、平成29年4月1日から平成33年3月31日までの4年間です。
 墨東病院はこれからも、がん診療体制を充実させて、都民の皆さんに質の高い安心かつ適切ながん医療の提供をしてまいります。
(指定に関する報道発表)▶http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/04/03/05.html

駒込病院患者サポートセンター 1階にリニューアルオープン!

 都立病院では、患者さんの診療上の様々な悩みや相談事に対応する窓口として、患者支援センターを設置しています。

 駒込病院では、3月6日に3階にあった相談支援センターが「患者サポートセンター」として1階会計横にリニューアルオープンしました。外来入口と面会入口の間にあり、病院に来院した方が必ず通る、わかりやすい場所です。センターには医師である出江センター長以下、入院サポートや在宅医療、医療機器に精通した看護師、治療中の生活・就労支援や社会保障・福祉制度の相談を担当するソーシャルワーカー、地域の医療機関との窓口となる医療連携担当の事務職等がおり、多職種、ワンストップで相談対応を行っています。

 患者サポートセンターのカウンターに職員がいて、相談内容を伺い内容に対応できる相談員につなぐようにしています。近くに相談室が6室あって個別に安心して相談できる環境を整えています。

「外来で主治医から説明を受けたけど、やはり不安だ…」、「在宅療養することになったけど、どうしたらいいんだろう…」、そんな時は気軽にお立ち寄りください。

 さまざまな疑問や困り事に対応できるよう、患者サポートセンタースタッフがお薬や食事の相談など院内の他部門とも連携しながら、患者さん・ご家族などと一緒に解決にあたっています。

都立病院コメディカル部門のご紹介



  病院では、医師、看護師をはじめ、診療を支援する部門のスタッフが連携して、患者さんの診療・治療が進められています。都立病院で働く主なコメディカルの業務内容をご紹介します。

第九回 リハビリテーション部門③

 リハビリテーション部門は、患者さんの機能障害の改善や、日常生活における動作能力を向上させるための訓練などを行い、患者さんがよりよい社会生活を送るためのお手伝いをしています。
 都立病院におけるリハビリテーションの内容について、全5回連載いたします。第3回目は、言語聴覚療法についてご紹介します。

③ 言語聴覚療法

 都立病院には約2 0 名の言語聴覚士が働いています。8つの病院に少人数ずつ配置されているので、めだたない存在かもしれません。言語聴覚士とは、言葉、聞こえ、認知、摂食嚥下などに問題を抱えた方を援助する専門職です。
1 9 9 7 年に新しく国家資格になりましたが、都立病院は1970年代から、その前身である言語専門職を先駆的に採用してきました。都立病院の言語聴覚士はそれぞれの病院の特徴に応じた仕事をしています。
 例えば、救急病院には脳梗塞・脳出血などの病気や頭の怪我でたくさんの方が緊急入院されます。身体運動のリハビリと同じように、言語聴覚士も早くから介入し、失語症や発音の障がいなどの言葉の問題はもちろん、注意力・記憶力などの高次脳機能や摂食嚥下機能も評価し、体調に配慮しながら他のスタッフと協力して訓練を進めます。転院・退院の際には、リハビリがスムーズに継続されるように関連施設へ報告書を送ります。
 がんの専門病院には脳腫瘍、咽喉(のど)や舌のがんの患者さんが多く入院されるので、手術や放射線治療の前後に高次脳機能、発声・発音、摂食・嚥下を評価し、問題に対応します。神経難病専門病院では、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの患者さんに対し、発声・発音や摂食・嚥下の症状の進行を見越して、代償手段も導入しながら働きかけます。
小児医療に重点を置く病院では乳幼児に関わり、ご両親や保育現場に助言します。言葉の遅れ、吃音、口蓋裂による発音の障がい、哺乳から始まる摂食嚥下の問題など、内容はさまざまです。
 私たちは、コミュニケーションや食べる機能の問題で困っておられる患者さんとご家族を、他の医療スタッフと協力しながらこれからも支援していきます。

▲言語訓練           ▲摂食嚥下機能の説明      ▲ゼリーを使った摂食嚥下訓練

 

~~~夏季にかけて気を付けなければいけない感染症について ~~~

都立多摩総合医療センター 感染症科医長 本田仁

 一年中何かしらの感染症が世間で流行し問題となりますが、夏季にかけて注意すべき感染症がいくつ
かあります。
 まずは食中毒です。食品が傷みやすい夏場には不適切な食品の保存・調理により食中毒を起こします。具体例として、十分加熱してない肉を食べることによるカンピロバクター腸炎、汚染された食品を食べる
ことによる腸管出血性大腸菌感染症などです。食中毒の三原則である、食中毒菌を「付けない、増やさな
い、殺す」を守ることが重要です。具体的には、しっかりと手を洗う、冷蔵・冷凍が必要な食品を適切に保存する、時間が経ち過ぎた食品は捨てる、などです。

 次に蚊に刺されて起きる感染症です。日本では数年前にデング熱というウイルス感染症が発生し、話題になりました。この夏に流行する可能性があるかは今のところわかりませんが、不用意に蚊に刺されることは避けた方が無難です。また、海外に出かける際は流行地によって、デング熱の他にも蚊が媒介する感染症であるチクングニア熱、ジカ熱などに注意が必要です。流行地の確認は海外情報のあるウェブサイトなどを見て判断するのが良いでしょう。

 通年見られる感染症ももちろん重要です。肺炎、尿路感染症など、特に高齢者の方は夏の暑い時期には熱中症や脱水と同時に起きたりすることがあるので体調を崩さないように心がけてください。