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都立病院だより 第45号

平成27年12月発行

エボラ出血熱対応訓練を実施しました

エボラ出血熱対応訓練(患者移送・受入訓練)の様子

▲エボラ出血熱対応訓練(患者移送・受入訓練)の様子

専用の患者移送車両からウイルスの拡散を防ぐ「アイソレーター」で搬送された患者を受け入れる(墨東病院)

一類感染症用病室で点滴ルートの確保を行う様子
▲一類感染症用病室で点滴ルートの確保を行う様子

 平成27年11月26日(木曜日)、都内でエボラ出血熱患者が発生したことを想定し、第一種感染症指定医療機関となっている墨東病院で、福祉保健局・東京消防庁等と連携して対応訓練を実施しました。
 エボラ出血熱流行国の医療センターで医療支援活動に従事し、帰国した男性医師が発熱などの症状を訴え保健所に電話連絡したと想定して、訓練が開始されました。
 患者役の職員を感染症外来診察室へ搬送し、診察、採血・検体検査をした後、一類感染症病室にて吐物処理、点滴ルートの確保などを実施しました。



患者の吐物処理を行う様子
▲患者の吐物処理を行う様子

 防護服を着用した医師、看護師、臨床検査技師や放射線技師等スタッフが治療、ケア、検査などを確実に行えるのか、汚染区域・準汚染区域・非汚染区域に分けて想定している患者対応の動線について適切に管理できるのか等の確認を行いました。また、防護服の脱衣訓練も実施し、職員が安全性を相互確認するなど、二次感染の防止に取り組みました。
 都立病院では、今回の訓練を踏まえて課題を検証し、万が一に備え、万全の受入体制を整えていきます。


 

 

 

 

 

 

 

 

都立病院の認定看護師の活動を紹介します


研修会 ドレッシング材の使用方法の演習
▲【研修会】ドレッシング材の使用方法の演習※ドレッシング材とは、傷を保護するために巻いたり覆ったりするものの総称。

 都立病院が持つ高度な医療機能を十分発揮していくためには、専門分野において卓越した看護技術や指導力、コンサルテーション能力等を習得した看護師の存在が不可欠です。都立病院では、各専門分野においてリーダー的役割を果たす「認定看護師」の資格を取得した看護師が18分野、総勢117名おります。

 今回はその中で、「皮膚・排泄ケア認定看護師」の活動を紹介します。

 皮膚・排泄ケア認定看護師は、都立8病院に14名所属しており、褥そう(床ずれ)・創傷・慢性潰瘍、ストーマ(人工肛門)造設時のケア、失禁など、皮膚のトラブルや排泄管理に関わるケアの指導や相談を中心に行う専門家です。多職種と連携し、褥瘡予防対策チームの一員として、回診を行ったりしています。



研修会 体位を整えるポジショニングの演習
▲【研修会】体位を整えるポジショニングの演習

 都立病院の皮膚・排泄ケア認定看護師の活動は所属病院内だけはありません。定期的に全都立病院の看護職員に対して研修会を実施しており、10月に開催した研修では、褥瘡ケアのために必要な知識の付与を目的として、皮膚の保湿剤や保護剤の選択と使用方法のアドバイスや予防的ケア方法など、専門家だからできる質の高い実践的な指導を行いました。



全国自治体病院学会で最優秀演題に選ばれました
▲全国自治体病院学会で最優秀演題に選ばれました

 また、近年増加傾向にある「医療関連機器圧迫創傷」について、各病院の認定看護師が調査・検討し、「公立6病院における医療関連機器圧迫創傷の実態調査から見えてきたこと」としてまとめ、全国自治体病院学会において発表した結果、最優秀演題に選ばれ、表彰されました。(「医療関連機器圧迫創傷」とは、肺塞栓予防に使用する弾性ストッキングや挿管チューブ、酸素マスク、ギプスなど患者に使用している医療機器により、皮膚が圧迫を受けて発生する創傷のことです。)

 このように、都立病院認定看護師の活動は全国的にも認められています。今後も患者さんやご家族に信頼される質の高い看護の提供を目指し、日々活動してまいりますので、認定看護師たちの活動にぜひご注目ください。

 



 

 

 

サービスアップ 患者サービス向上の取組 ~サービスアップ推進月間を実施しました~


 毎年10月をサービスアップ推進月間として定め、各病院において行動テーマや重点項目を設定し、サービス向上の取組を実践しています。今回はその中で実施された2病院の取組を紹介します。

◆広尾病院「考えよう~もし自分が患者さんだったら~」
接遇研修
▲接遇研修

 広尾病院では「考えよう~もし自分が患者さんだったら~」をテーマに、接遇事例検討研修を実施しました。病院職員が、患者さん役と患者さんへの配慮に欠ける職員役を演じ、多職種で構成された班別に、患者さんへの対応について、意見交換を行いました。その後、配慮に欠けた職員に対する改善点を活かしたロールプレイを行いました。放射線技師及び看護師による熱演、様々な視点からの提案により自身の接遇を振り返り、今後に活かせる充実した内容となりました。


◆松沢病院 「患者中心の医療・看護を実現し患者さんや家族から選ばれる病院づくり」


ロビーコンサート
▲ロビーコンサート

 松沢病院では『患者中心の医療・看護を実現し患者さんや家族から選ばれる病院づくり』をテーマに、10月21日(水)午後3時から患者さん、ご家族等を対象にピアノ演奏とコーラスによるロビーコンサートを開催しました。当日は約180名の方が外来ロビーに集まり、ベラ・ドンナのみなさんによるコーラス「童謡メドレー」、「ウィーンわが夢のまち」やピアノ演奏「愛の挨拶」などの美しいハーモニーと演奏を楽しみました。



【都立病院コメディカル部門のご紹介】


 病院では、医師、看護師をはじめ、診療を支援する部門のスタッフが連携して、患者さんの診療・治療が進められています。都立病院で働く主なコメディカルの業務内容をご紹介します。

第四回 臨床検査部門


糖尿病療養指導

▲【糖尿病療養指導】

糖尿病教室などで患者さんに関係する検査の説明や検査値の見方、自己血糖測定の機器使用方法などを説明しています。

 適切な診断や治療を行うためには、患者さんの検査情報を正確に評価する必要があります。これらの検査情報を得るための専門的な技術と知識を持つのが臨床検査技師です。

 病院で働く臨床検査技師は、検査内容によっていくつかの部門に分かれて業務を行っています。

  患者さんと直接接して業務を行っているのは、採血室と心臓や脳の働きを調べる心電図や脳波検査、肝臓や膵臓などの消化器疾患や乳腺・甲状腺など体表臓器を超音波で検査する生理検査室の臨床検査技師です。病院では患者さんから採血・採取された検査材料を検体と呼んでいます。検体検査部門は、血液や尿などを化学的に分析する血液・生化学・免疫検査室や輸血療法に必要な検査をする輸血検査室、細菌やウイルスなどの感染を調べる細菌検査室、臓器や組織に異常がないかを詳しく調べる病理検査室があります。



 現在の医療はチーム医療を基本としており、医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師、栄養士などの 各専門医療職が一丸となって患者さんの診断・治療にあたっています。臨床検査技師もチームの一構成員として感染制御、栄養管理サポート、糖尿病療養指導などに積極的に参加しています。

 臨床検査技師は、患者さんに安全・安心・迅速・正確な検査データの提供を行うため、より品質の高い検査精度向上を目指し、日々心がけて業務を行っています。

▲【腹部超音波検査】

超音波の反射波を利用しコンピュータ処理で画像化して診断しています。

様々な臓器のがん等が分かります。

▲【臨床微生物検査】

感染症が疑われる患者さんからの検体から原因となっている微生物を検出し、抗菌薬の選択等、診断治療に役立てています。





インフルエンザに注意しましょう!


 今年もインフルエンザが流行する時期となり、注意が必要です。インフルエンザについて、多摩総合医療センターの本田感染症科医長に伺いました。

 

多摩総合医療センター 本田感染症科医長

 

 インフルエンザは、子供からお年寄りまでかかる可能性のある非常に感染性の高い感染症です。毎年秋口に発生し、冬にそのピークを迎えて、春には終息に向かいます。
 主な症状は発熱、風邪のような症状(咳、鼻水、頭痛、だるさ)に加え、筋肉痛なども起こします。多くの人々は自然によくなるのですが、お年寄りやご病気を持っている患者さん、子供、妊娠中の女性では重症化することがあり、侮ってもいけません。
 インフルエンザのための薬がありますが、これらの薬は症状の期間を1日程度短縮する効果が主体ですので、むしろ予防に力を入れることが重要です。予防法としては、くしゃみ、咳の時の咳エチケット(マスク、ハンカチやティッシュで口を覆う)、インフルエンザワクチンの接種などです。
 インフルエンザワクチンの副作用を心配する声もありますが、その副作用の多くは接種部位の腫れや
軽度のだるさ、微熱と一過性のものが多く、インフルエンザが重症化してしまうことと天秤にかけると、ワクチン接種をお勧めいたします。
 ただ、インフルエンザワクチンの効果は万能ではありません。ワクチンを接種してもインフルエンザにか
かることはありますので、咳やくしゃみの時のエチケット、日頃から健康的な生活を心がけることが大切です。