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都立病院だより 第44号

平成27年9月発行

都立病院では緩和ケアに取り組んでいます

駒込病院看護外来にて患者さんの相談を受ける様子
▲駒込病院看護外来にて患者さんの相談を受ける様子

1 緩和ケアって、なあに?

 緩和ケアとは、「重い病を抱える患者やその家族一人一人の身体や心などの様々なつらさをやわらげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケア」を言います。最近の報告では、がん診断の早期から緩和ケアを合わせて受けることで、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)の改善だけでなく生存期間にも良い影響がある可能性が示唆されています。

2 駒込病院の緩和ケア活動


①早期からの緩和ケア:「がんになったら緩和ケアも!」


 すべてのがん患者さんに外来受診時と入院時に「体のつらさ、心のつらさ」についての質問票に記入していただき、サポートが必要な方にはお声をかけパンフレットをお渡しし、必要に応じて看護外来・看護相談、さらに緩和ケアチームにつなげ、早期からの緩和ケア提供を心がけています。

②看護外来:「医師にはちょっと相談しにくいこともお気軽に」


がん講習会を開催する緩和ケア認定看護師
▲がん講習会を開催する緩和ケア認定看護師

 外来では、専門の認定資格を持つ看護師が、患者さんの相談(疼痛、リンパ浮腫、がん治療の副作用対策など)を受けています。

 

 

 

 

 

 

 


③緩和ケアチーム:「様々な専門家がチームでお手伝い」


 病棟では、医師・看護師・薬剤師・心理士など多職種からなる緩和ケアチームが、厄介な痛みや嘔気、不安、気分の落ち込みなど様々な症状について、アドバイスをさせていただいています。

 

④緩和ケア病棟:「積極的治療を卒業してからも、自分らしく」


ミスト浴槽(負担の少ない入浴施設)
▲ミスト浴槽(負担の少ない入浴施設)

 積極的抗癌治療を終了され、病状を理解されたうえで希望される場合には、緩和ケア専門の病棟への入院が可能です(全室個室22床)。入院を希望される方は病院ホームページをご覧ください。

⑤家族ケア:ご家族のつらさ緩和のお手伝い


ひだまり(多目的ホール)
▲ひだまり(多目的ホール)

 必要に応じて、心理士・神経科医師が、ご家族・ご遺族のケアも行っています(原則的に当院にかかりつけの患者さんのご家族が対象となりますのでご了承ください)。


3 緩和ケアに関するイベントの実施


 緩和ケアに関する公開講座等、様々なイベントを実施しています。詳細は、病院のホームページで随
時お知らせしておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。
 また、10 月2 週目は「世界ホスピス緩和ケア週間」として、世界各国で(!)緩和ケアのキャンペーン活
動が行われます。都立・公社病院でも、緩和ケアに関する様々なイベントが予定されていますので、興味のある方は、病院のホームページをご覧ください。

 

東京都総合防災訓練に参加しました

訓練を行う東京DMAT広尾(都立木場公園にて)
▲訓練を行う東京DMAT広尾(都立木場公園にて)

 平成27年9月1日(火)、東京都・立川市合同総合防災訓練が開催されました。今回の訓練は多摩地域を震源とする地震が発生し、広い範囲で震度6弱以上の地震が発生したという想定で実施されました。

 都立病院からは、都立木場公園を会場とした救出救助活動拠点設置運営訓練において、広尾病院の東京DMATが参加し、自衛隊、赤十字等と連携しながら、ヘリコプターや自衛隊車両等を活用した搬送先調整訓練に取り組みました。

 都立病院は、引き続き、研修や訓練など災害に備えた取組を実施していきます。




都立病院公開講座のお知らせ


 都立病院では都民のみなさん向けに公開講座を実施しています。
詳細は各病院ホームページをご覧ください。 

【広尾病院】

「増え続ける大腸がん~気になる症状から最新の治療法まで~」11月30日(月)19時、地域交
流センター恵比寿で。当日先着200人 問 同病院 03-3444-1181

【神経病院】

「①『足がつる』のは病気ですか?②安全に口から食べるためのサポート方法」10月31日(土)14時、国分寺労政会館で。当日先着150人  問 同病院 042-323-5110

【小児総合医療センター】

「『子どものがんを考える』 ~より良い教育支援を目指して~」11月8日(日)13時~17時。新宿NSビルで。当日先着150人  問 同病院 042-312-8116

都立病院コメディカル部門のご紹介 


 病院では、医師、看護師をはじめ、診療を支援する部門のスタッフが連携して、患者さんの診療・治療が進められています。都立病院で働く主なコメディカルの業務内容をご紹介します。

第三回 放射線科部門


 今回は放射線科部門を代表して、駒込病院の放射線科治療部をご紹介します。

毎朝のカンファレンス様子。業務開始前にスタッフ全員が集まり、患者さんの状態や治療内容について報告、検討を行っています。
▲毎朝のカンファレンス様子。業務開始前にスタッフ全員が集まり、患者さんの状態や治療内容について報告、検討を行っています。

 駒込病院放射線治療部では、医師、看護師、医学物理士及び診療放射線技師が連携し、患者さんを良くしたいという思いの下、放射線治療技術の向上に努めています。まず、医師が診察や治療計画を担当、看護師が患者さんをサポートしながら経過観察、医学物理士が放射線治療装置の品質管理や照射の治療計画をたて、
診療放射線技師が放射線装置を使って患者さんに放射線を照射するなど、職種によって担当する業務は異なります。



 駒込病院には、トモセラピー、Vero、サイバーナイフという3台の高精度放射線治療装置が設置され、高い精度の放射線治療が行われています。これらの装置は、少ない身体への副作用で、十分な量の放射線を照射して、腫瘍をたたくことが可能です。
 トモセラピーはCTのように患者さんの周りを回りながら細い放射線のビームを組み合わせて、特に前立腺、頭部、頸部や骨盤部などを治療します。Veroは人体内の臓器の動きに合わせて照射可能な4次元放射線治療を行い、特に肺や肝臓などを治療します。また、サイバーナイフでは、一度に多くの線量を正確に照射できる定位放射線治療を行い、特に頭部、頸部や肺の腫瘍を治療します。

 最近では、呼吸で動く臓器に放射線治療装置を同期させながら照射する動体追尾を用いた放射線治療も、Vero やサイバーナイフで実施しています。この装置は動く腫瘍を追いかけながら照射し、特に肺や肝臓の治療に適しています。
 腫瘍に放射線を合わせる技術や照射する技術が向上し、放射線治療で癌を治す人も増えています。今後も放射線治療部門は、患者さんに最善な治療方法を提供していきます。

 

トモセラピー装置
▲トモセラピー装置
Vero 4DRT装置
▲Vero 4DRT装置
サイバーナイフ装置
▲サイバーナイフ装置


 



ここに注目!秋のアレルギーに注意しましょう


 アレルギーと言うと花粉症等、春のイメージがありますが、秋のアレルギーにも注意が必要です。
 秋のアレルギーについて、小児総合医療センターの赤澤アレルギー科部長に伺いました。

 

小児総合医療センター 赤澤アレルギー科部長

 

 季節の変わり目というのは、誰でも体調を崩しやすいものです。気管支喘息のある方にとっては、急な天候の変化、気温の下降、台風の接近で喘息発作を起こすことが最も多い時期です。子供たちも夏の間は落ち着いていた喘息が、気候の変化や運動会の練習のほこりや疲れにより発作が起こりやすくなります。ついつい忘れがちになっていた、喘息治療の吸入薬や内服薬を指示通りに服薬しておきましょう。早めの対策が大切です。
 秋は、おいしい果物がたくさん出てきます。最近は、ハンノキという4月から6月ぐらいに花粉を飛ばす木の花粉症の人が増えたために、この木の花粉と交差抗原性※のある林檎、桃、梨、サクランボなどの果物や野菜を食べると、口の中の違和感、かゆみを訴える人が増えています。腹痛や蕁麻疹などが起こる場合は、アレルギー科で相談しておきましょう。
 気温が下がり、空気が乾燥してくると、皮膚も乾燥します。アトピー性皮膚炎やドライスキンのある人は、スキンケアを忘れずにしましょう。乾いた皮膚からは、アレルギーをおこす物質が容易に侵入します。皮膚を清潔にして、入浴後はすみやかに保湿剤を塗りましょう。季節や皮膚の状態に合った保湿剤の選択がポイントです。

※ 交差抗原性:2つのアレルギー反応を起こす物質の構造がよく似ているために、一方にできたアレルギー反応をおこすIgE抗体が、もう一方にも反応してしまうこと。